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2022/12/23 08:40

上値の重い展開か、米金融引き締め長期化を警戒 無料記事

◆23日の香港マーケットは、米金融引き締め長期化観測で上値の重い展開か。(亜州リサーチ編集部)
 外部環境はややネガティブ。22日の米株市場は、金融引き締め長期化懸念が改めて意識され、主要指標のNYダウが前日比1.0%安、ハイテク株比率の大きいナスダック指数が2.2%安とそろって3日ぶりに反落している。米経済の堅調を示唆する指標を受け、インフレを警戒する米連邦準備理事会(FRB)は利上げスタンスを長期に継続すると不安視された。22日公表された今年7〜9月期の米GDP(実質国内総生産)確定値は、年率換算で前期比3.2%増となり、改定値の2.9%増から上方修正されている。また、新規失業保険申請件数(週間)は予想ほど増加せず、歴史的な低水準が続いた。労働市場の引き締まりは、FRBが利上げを正当化する根拠になりやすい。一部ハイテク企業の決算下振れも重しとなった。マイクロン・テクノロジーが発表した9〜11月(第1四半期)決算は、売上高と1株利益が予想を下回り、第2四半期の1株損益が大幅赤字に転落するとの見通しを明らかにしている。
 一方、内部的には好悪材料が入り混じる状況。新型コロナウイルス感染急拡大とリオープン(経済再開)が綱引きとなっている。感染者が急増した上海市などでは、医療体制と医薬品がひっ迫し、従業員の感染で休業を余儀なくされる企業が相次ぐ状況だ。また、中国本土の機関投資家(銀行、投信会社など)に欠勤者が急増し、株式、為替などの各金融市場では商いが細っているという。他方、中国政府はコロナ防疫措置として導入した入国時の隔離義務を2023年1月にも撤廃する――との観測が流れている。そのほか、当局が経済対策強化のスタンスを明確化していることもプラス材料だ。
 こうした中、本日の香港・本土マーケットは全体として上値の重い展開か。上述したように、米金融引き締めの長期化観測が逆風となりそうだ。なお、香港は週末からクリスマス休暇入りする(26日と27日が休場)。様子見ムードが漂う可能性もあろう。


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