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2023/05/10 08:54

神経質な値動きか、内外環境が不透明 無料記事

◆10日の香港マーケットは、内外環境の不透明感で神経質な値動きか。(亜州リサーチ編集部)
 外部環境はネガティブ。9日の米株市場は、米インフレ指標の発表を前に様子見ムードが強まり、主要指標のNYダウが前日比0.2%安と続落し、ハイテク株比率の大きいナスダック指数が0.6%安と3日ぶりに反落した。米国では10日に4月の消費者物価指数(CPI)、11日に同月の生産者物価指数(PPI)、12日にミシガン大学期待インフレ率が公表される予定。注目のCPI上昇率に関しては、3月と同水準との予想がコンセンサスとなっているものの、インフレ抑制が進んでいないと判断される内容となった場合、米連邦準備理事会(FRB)の金融引き締めが長期化する懸念もある。また、米政府の債務上限問題も重しとなった。米政府債務は法定上限に達しているため、上限引き上げなどを決定しなかった場合、政府がデフォルト(債務不履行)に陥る(早ければ6月1日)。上限引き上げを巡っては、議会で与野党の合意が得られていない。バイデン米大統領は9日午後、与野党の議会指導部と会談したが、目立った成果は得られていないという。
 内部環境も不透明。中国景気の持ち直しには時間がかかる――との見方が広がっている。9日公表された4月の中国貿易統計では、人民元建て輸入が0.8%減少し、3月の6.1%増からマイナス成長に転落した。内需の弱さが指摘されている。これより先に官民が発表した4月の中国製造業PMIは、景況判断の境目となる50をそれぞれ割り込んでいた。ただ、「当局は景気対策を強める」との期待も広がっている。なお、中国では、11日に4月のCPIとPPI、15日までに同月の金融統計が報告される予定だ。
 こうした中、本日の香港・本土マーケットは全体として神経質な値動きか。上述したように、内外環境の不透明感が重しとなりそうだ。ただ、中国経済対策の期待感が根強いほか、国有企業株のバリュエーション見直しの動きもあるため、下値を拾う動きには期待したい。上海証券取引所は11日、中央企業の投資価値見直しに向け、中国国新(中央企業の価値強化を支援する政府系投資会社)と共同で会議を開催する予定だ。


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