◆週明け27日の香港マーケットは、米株高を支えにしっかりとした展開か。(亜州リサーチ編集部)
　外部環境は安定的。24日の米株市場は、過度な金融システム不安の後退で、主要指標のNYダウが前日比0.4％高、ハイテク株比率の大きいナスダック指数が0.3％高とそろって続伸した。欧州市場で銀行株が軒並み下落したことを嫌気した売りが先行したものの、欧米の金融当局者がそれぞれ、金融安定に関する発言をしたことがプラス。欧州中央銀行（ECB）のラガルド総裁は欧州首脳陣に対し、「必要があれば流動性確保に動く用意がある」と説明した。米セントルイス地区連銀のブラード総裁は、中堅行の経営破綻が相次ぐ中、当局がとった措置は「迅速で適切」だったと述べている。また、「イエレン米財務長官は、金融安定監視評議会（FSOC）の緊急会合を開くため、米金融当局の責任者を招集した」とも伝わった。
　一方、中国では本日（日本時間午前10時半ごろ）、1〜2月の工業企業利益が公表される予定。2022年通年では4.0％減となり、3年ぶりのマイナス成長の陥っていただけに、内容が注目される。ほか、31日には、3月の中国製造業PMIが公表される予定だ。
　また、香港では今週、主要企業の決算報告が佳境に入る。本日は、康師傅HD(322/HK)や中国外運(598/HK)、網龍網絡HD(777/HK)、安徽海螺水泥(914/HK)、中国民生銀行(1988/HK)、翰森製薬集団(3692/HK)などが期末決算を発表する予定だ。
　こうした中、本日の香港・本土マーケットは全体として底堅く推移か。中国指標の発表が気がかり材料となるものの、米株高が相場の支えとなろう。また、これまでに公表された主要企業の決算では、業績改善を示すものが多かったことも買い安心感につながりそうだ。


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