2023/06/29 08:54
底堅い展開か、米ハイテク株高が支えに
◆29日の香港マーケットは、米ハイテク株高を支えに底堅く推移か。(亜州リサーチ編集部)
外部環境はそれほど悪くない。28日の米株市場は、米連邦準備理事会(FRB)の利上げ継続見通しが重しとなったものの、全体としてはしっかりだった。主要指標のNYダウは前日比0.2%安と反落したが、ハイテク株比率の大きいナスダック指数は0.3%高と続伸している。パウエルFRB議長は28日、欧州中央銀行(ECB)主催のパネル討論会に参加。高インフレを抑えるため、7月と9月の会合で政策金利を引き上げる可能性があると示唆した。ほか、討議に参加した欧英の中銀トップも金融引き締めに言及している。ただ、米債券市場では米10年債利回りが低下。ハイテク株など高PER(株価収益率)のグロース(成長)株にとっての追い風となっている。個別では、アップル株が0.6%上昇し、連日で上場来高値を更新した。
一方、中国国内では、過度な景気懸念が後退。27日開幕の夏季ダボス会議で中国の李強・首相が演説し、「2023年の5.0%経済成長は実現可能」と自信を示した。28日公表された今年1〜5月の中国工業企業利益は前年同期比で縮小したものの、減少率は1〜4月から鈍化している。また、中国景気の回復遅れが指摘される中、当局の景気刺激策に対する期待も根強い。足もとでは、新エネルギー自動車(NEV)購入税の優遇措置が延長されたほか、20都市近くが住宅購入制限を緩和している。エコノミストの間からは、「年内にあと1回の利下げが実施されるほか、財政刺激策が拡充される見込み」との分析が聞かれた。
なお中国では、あす30日に6月の製造業購買担当者景気指数(PMI、国家統計局などが集計)が公表される。
こうした中、本日の香港・本土マーケットは全体として底堅い展開か。上述したように、米ハイテク株高が支えとなりそうだ。ただ、人民元安・米ドル高の動きや、米国の対中圧力強化など不安材料が依然としてくすぶっている。中国指標の発表を控えていることもあり、上値も重そうだ。
内容についてのお問い合わせは<info@ashuir.com>まで。
外部環境はそれほど悪くない。28日の米株市場は、米連邦準備理事会(FRB)の利上げ継続見通しが重しとなったものの、全体としてはしっかりだった。主要指標のNYダウは前日比0.2%安と反落したが、ハイテク株比率の大きいナスダック指数は0.3%高と続伸している。パウエルFRB議長は28日、欧州中央銀行(ECB)主催のパネル討論会に参加。高インフレを抑えるため、7月と9月の会合で政策金利を引き上げる可能性があると示唆した。ほか、討議に参加した欧英の中銀トップも金融引き締めに言及している。ただ、米債券市場では米10年債利回りが低下。ハイテク株など高PER(株価収益率)のグロース(成長)株にとっての追い風となっている。個別では、アップル株が0.6%上昇し、連日で上場来高値を更新した。
一方、中国国内では、過度な景気懸念が後退。27日開幕の夏季ダボス会議で中国の李強・首相が演説し、「2023年の5.0%経済成長は実現可能」と自信を示した。28日公表された今年1〜5月の中国工業企業利益は前年同期比で縮小したものの、減少率は1〜4月から鈍化している。また、中国景気の回復遅れが指摘される中、当局の景気刺激策に対する期待も根強い。足もとでは、新エネルギー自動車(NEV)購入税の優遇措置が延長されたほか、20都市近くが住宅購入制限を緩和している。エコノミストの間からは、「年内にあと1回の利下げが実施されるほか、財政刺激策が拡充される見込み」との分析が聞かれた。
なお中国では、あす30日に6月の製造業購買担当者景気指数(PMI、国家統計局などが集計)が公表される。
こうした中、本日の香港・本土マーケットは全体として底堅い展開か。上述したように、米ハイテク株高が支えとなりそうだ。ただ、人民元安・米ドル高の動きや、米国の対中圧力強化など不安材料が依然としてくすぶっている。中国指標の発表を控えていることもあり、上値も重そうだ。
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