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2023/07/21 08:57

上値の重い展開か、米ハイテク株安が逆風 無料記事

◆21日の香港マーケットは、米ハイテク株安を嫌気した売りが先行する流れか。(亜州リサーチ編集部)
 外部環境は不透明。19日の米株市場は、決算動向をにらみながら、まちまちの展開だった。主要指標のNYダウが前日比0.5%高と9日続伸(2022年3月以来の高値)する一方、ハイテク株比率の大きいナスダック指数は2.1%安と4日ぶりに急反落。機関投資家がベンチマークとして重要視するS&P500指数は0.7%下落した。主要企業の四半期決算報告が進む中、医薬品・日用品のジョンソン・エンド・ジョンソンは決算上振れと通期業績の上方修正で6.1%高と急伸。半面、売上高が予想に届かなかった動画配信のネットフリックスは8.4%安、利益率が低下した電気自動車のテスラは9.7%安と急落している。バリュー(割安)とグロース(成長)株で明暗を分けた格好だ。労働市場の引き締まりによるインフレ懸念もくすぶる。米労働省が発表した新規失業保険申請件数(週間)は、予想に反し、前週から増加。米債券市場では、米10年債利回りが大幅に上昇した。
 一方、内部的には中国の政策動向が気がかり材料となる。早ければ来週にも開催される中央政治局会議では、下半期の政策方針が決定される見通し。中国景気の持ち直し遅れが不安視される中、財政・金融政策を見極めたいとするスタンスが強まっている。足もとでは関係部門が相次ぎ景気支援策を発表しているものの、「景気押し上げには力不足」との声も一部から聞かれた。
 香港域内の金利高もネガティブ。香港銀行間取引金利(HIBOR)は20日、1カ月物が5.21%に跳ねあがり、2017年10月以来、約15年9カ月ぶりの高水準に達した。米国と香港の金利差を背景に、香港金利はさらに上昇するとの観測もあり、資金流動性のひっ迫も警戒されている。
 こうした中、本日の香港・本土マーケットは全体として上値の重い展開か。上述したように、米ハイテク株安が投資家のセンチメントを冷やしそうだ。また、香港市場にとっては、域内金利高も売り材料として意識される恐れもある。


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