◆3日の香港マーケットは、中国の政策動向見極めで方向感を欠く展開か。(亜州リサーチ編集部)
　外部環境は安定的。2日の米株市場は、積極的な米利上げの警戒感が薄れ、主要指標のNYダウは前日比1.0％高と続伸し、ハイテク株比率の大きいナスダック指数は0.7％高と3日ぶりに反発した。タカ派（引き締めに積極的）として知られるアトランタ地区連銀のボスティック総裁は2日、「利上げの効果が現れるのは春以降」だとして、次回の利上げを通常通り0.25％にとどめることを支持すると発言。市場の一部に広がっていた0.5％利上げの警戒感が後退した。企業決算の好調もプラス。顧客情報管理（CRM）大手のセールスフォースが公表した11〜1月期決算は、1株利益と売上高が予想を上回り、2〜4月期売上高見通しもアナリストの予想以上だった。同社株は11.5％高と急伸し、全体相場の上昇に寄与している。
　一方、内部的には、政策動向を見極めたいとするスタンスが強まりそうだ。国政助言機関の全国政治協商会議は4日、全国人民代表大会（全人代、国会に相当）は5日に開幕する。全人代の開幕式では「政府活動報告」が読み上げられ、今年のGDP成長目標や重要施策などが発表される予定だ。
　こうした中、本日の香港・本土マーケットは全体として方向感を欠く展開か。米利上げ加速の警戒感が和らいだことは好感されるものの、中国の政策動向を見極めたいとするスタンスが積極的な売買を手控えさせそうだ。


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