◆11日の香港マーケットは、世界的な経済対策を支えにしっかりとした展開か。
　外部環境は落ち着きつつある。昨夜の米株市場では、主要指標のNYダウが前日比4.9％高、ハイテク株比率の大きいナスダック指数が5.0％高とそろって4日ぶりに急反発した。トランプ政権の経済対策に期待した買いが広がる。新型コロナウイルスの感染拡大による景気悪化を回避するため、トランプ大統領は給与減税などを含む包括的な経済支援策を発表する意向だと伝わった。また、NYダウは前日に7.8％安と急落した反動もあり、買い戻しが入りやすかった。
　ただ、欧州市場の主要株価指数は軒並み安。イタリアでは新型コロナ感染者が1万人を超え、移動制限措置が全土に拡大された。欧州全体で経済活動の委縮が懸念されている。
　一方、10日の本土株市場では、主要指標の上海総合指数が1.8％高と3日ぶり反発。国内経済活動の回復が期待された。習近平・国家主席は10日、新型コロナウイルス感染が大流行した武漢市を訪問。感染拡大の終息が近いとの見方が広がっている。また、武漢の「都市封鎖」が一部解除されるとの観測も浮上した。新型コロナにより稼働停止していた各地の工場や商業施設に関しても、操業再開が相次いでいる。
　こうしたなか、本日の香港・本土マーケットは全体としてしっかりとした展開か。中国以外の国・地域で新型コロナの感染拡大が止まらないことは不安材料だが、主要国が経済対策を強化するとの見方はプラスだ。中国でも産業支援策が相次いでいる。政策で恩恵を受けやすい銘柄群などに物色の矛先が向きそうだ。


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