◆18日の香港マーケットは、NYダウの急反落が重しとなる流れか。(亜州リサーチ編集部)
　外部環境はやや不透明。休場明けとなった17日の米株市場は、金融大手の決算失望で主要指標のNYダウが前営業日比1.1％安と5日ぶりに反落している。ハイテク株比率の大きいナスダック指数は0.1％高と7日続伸したものの、上値は限定された。金融グループのゴールドマン・サックス（GS）が報告した22年10〜12月期決算は、売上高や1株利益が予想に届かず株価は6％超下落。ほか、保険のトラベラーズ（TRV）は10〜12月期の利益予想が予想を下回り5％近く下落している。企業決算の集中を前に、投資家の慎重スタンスが強まった。
　中国国内にも不安材料がある。前日に公表された22年中国GDP成長率や12月の各種経済統計は、予想されたほど悪いものではなかったが、中国経済の先行き不透明感を払しょくさせるには至らなかった。22年末の中国人口が61年ぶりに前年を下回ったことで、中長期的な労働力不足や、消費活動の縮小なども懸念されている。また、新型コロナウイルス感染はピークを打ったとの見方が優勢となっているものの、週末から始まる春節（旧正月）の大型連休をきっかけに、再拡大するとの警戒感もくすぶる状況だ。
　こうした中、本日の香港・本土マーケットは全体として上値の重い展開となろう。上述したように、米金融大手の決算失望売りが波及しそうだ。また、週末から始まる大型連休を前に、買い手控えのスタンスも強まろう（香港市場は23〜25日が休場、本土は23〜27日が休場）。


内容についてのお問い合わせは＜info@ashuir.com＞まで。