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2023/02/09 08:57

上値の重い展開か、米金融引き締め長期化を懸念 無料記事

◆9日の香港マーケットは、米金融引き締めの長期化懸念で上値の重い展開か。(亜州リサーチ編集部)
 外部環境はネガティブ。8日の米株市場は、金融当局者のタカ派(引き締めに積極的)発言が嫌気され主要指標のNYダウが前日比0.6%安、ハイテク株比率の大きいナスダック指数が1.7%安とそろって反落した。米連邦準備理事会(FRB)のウォラー理事は8日、「インフレ低下は認められるものの、目標の2%を達成するためには、引き締めの長期化を覚悟する必要がある」との見解を示している。アルファベット(グーグル)の急落も重し。新規投入した人工知能(AI)搭載のチャットボット「Bard(バード)」が不正確な回答をしたとの複数報道を嫌気し、同社株は8%近く下げた。
 一方、中国国内の環境はそれほど悪くない。米金利高を背景に、本土・香港からの資金流出懸念はあるものの、リオープン(経済再開)の進展や、当局の景気テコ入れスタンスの継続がプラスだ。販売不振が伝わる不動産業界に関しては、各地で相次ぎ住宅購入制限が緩和されている。また、中国人民銀行(中央銀行)は資金供給に転じた。人民銀は8日、リバースレポ取引を通じ、満期分との差引で4860億人民元を市中供給している。前日までは、巨額資金を市中から連日で引き揚げていた。
 なお、中国ではあす10日、1月の物価統計が公表される。消費者物価指数(CPI)に関しては、前回の1.8→2.1%に加速する見込みだ。
 こうした中、本日の香港・本土マーケットは全体として上値の重い展開か。中国の景気持ち直し期待は根強いものの、上述したように、米金融引き締めの長期化懸念が売り材料として意識されそうだ。また、「中国気球」を巡る米中対立も不安材料となろう。


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