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2023/06/13 08:48

上値の重い展開か、米中経済イベントが気がかり 無料記事

◆13日の香港マーケットは、米中経済イベントの見極めで上値の重い展開か。(亜州リサーチ編集部)
 外部環境は安定的。12日の米株市場は、前週の好地合いを継ぎ、主要指標のNYダウが前営業日比0.6%高と5日続伸し、ハイテク株比率の大きいナスダック指数も1.5%高と3日続伸した。ナスダック指数は昨年4月以来、約1年2カ月ぶりの高値水準に達している。利上げ見送りの期待感が引き続き相場の支えとなった。13〜14日に開催される米連邦公開市場委員会(FOMC)では、政策金利の据え置きが確実視されている。また、13日に公表される5月の米消費者物価指数(CPI)については、4月実績から減速するとの予測がコンセンサスだ。ほか、ニューヨーク連銀が12日発表した最新の消費者調査では、1年先のインフレ期待が4.1%に低下し(前回調査は4.4%)、2021年5月以来の低い水準となっている。
 他方、米中関係の悪化懸念はくすぶる状況。米商務省は12日、「エンティティーリスト(輸出を規制する外国企業リスト)」を更新し、航空関連など中国の31企業・団体を追加した。
 一方、中国国内では、経済対策の期待感が高まっている。政府系メディアの証券日報は12日、中信証券エコノミストの分析を引用して「中国人民銀行(中央銀行)は今後数カ月内に利下げを実施する公算が高い。今月の中期貸出ファシリティ(MLF)金利が引き下げられる可能性がある」などと報じた。MLF金利は今週15日に発表される。そのほか、今週は5月の中国経済指標もまとめて公表される予定だ(15日に小売売上高や鉱工業生産など、15日までに金融統計)。
 こうした中、本日の香港・本土マーケットは全体として上値の重い展開か。米国の利上げ見送りや中国の経済対策に対する期待感は支えとなりそうだが、米中経済イベントの結果を見極めたいとするスタンスが積極的な売買を手控えさせそうだ。また、米中関係の悪化懸念がくすぶっていることも不安材料となろう。


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