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2022/12/16 08:40

売り先行か、世界的な景気懸念でリスク回避 無料記事

◆16日の香港マーケットは、世界的な景気懸念で売り先行か。(亜州リサーチ編集部)
 外部環境はネガティブ。15日の米株市場は、景気後退(リセッション)の懸念が高まり、主要指標のNYダウが前日比2.2%安、ハイテク株比率の大きいナスダック指数が3.2%安とそろって大幅続落した。米金利高が景気を冷やすとの見方が続いたほか、一部経済指標の悪化が投資家のリスク回避スタンスにつながっている。この日公表された指標では、11月の米小売売上高が前月比0.6%減となり、予想(0.1%減)以上に減少。同月の鉱工業生産指数は0.6%低下し、予想(0.1%低下)を超える落ち込みとなっている。他方、新規失業保険申請件数(週間)は予想外に減少し、9月以来の低水準となった。賃金上昇の圧力が意識される中、米連邦準備理事会(FRB)が金融引き締めを継続する根拠になると懸念されている。また、欧州中央銀行(ECB)は15日、4会合連続で政策金利の引き上げを決定。ラガルドECB総裁は記者会見で、今後も大幅利上げを継続する姿勢を強調した。欧州の主要株価指数は軒並み急落している(独DAXは3.3%安、仏CAC40は3.1%安など)。
 中国国内でも景気懸念は高まる状況。国家統計局が15日発表した11月の経済統計では、消費や投資関連などが軒並み事前予想を下回った。中でも小売売上高は前年同月比で5.9%減少し、2カ月連続のマイナス成長となっている。
 他方、経済対策の期待感は持続。延期が見込まれていた翌年の経済政策方針を決める中国の重要会議「中央経済工作会議」は、当初の観測通り、15日に始まったもようだ。例年通りなら、3日間の日程で開催され、最終日に国営メディアが声明を報道する。
 こうした中、本日の香港・本土マーケットは全体として苦戦を強いられそうだ。上述したように、世界的な景気懸念が投資家心理の重しとなる。ただ、経済対策の期待感は根強く、押し目を拾う動きには期待したい。


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