◆22日の香港マーケットは、外部環境の安定で買いが先行する流れか。(亜州リサーチ編集部)
　外部環境は良好。21日の米株市場は、金融を巡る懸念が薄らぎ、主要指標のNYダウが前日比1.0％高、ハイテク株比率の大きいナスダック指数が1.6％高とそろって続伸した。イエレン米財務長官は21日、「米国の金融システムは健全性を保っている」としたうえで、「中小金融機関が大量の預金流出に陥るようなことがあれば、預金保護に向けた動きが正当化される」と述べている。金融株が軒並み上昇。ダウ平均の構成銘柄以外では、経営難に見舞われている米中堅地銀ファースト・リパブリック・バンクが30％近く上昇している（前日は47％安と急落）。ただ、指数は伸び悩む場面もあった。米連邦公開市場委員会（FOMC）の結果発表を22日（日本時間23日未明）に控え、金融政策動向が気がかり材料となっている。
　一方、内部的には新規材料に乏しい。中国人民銀行（中央銀行）は17日、預金準備率を0.25％引き下げると発表したが（27日付で実施）、相場にはある程度織り込まれたとの見方だ。企業業績や経済動向を見極めたいとするムードも漂っている。中国本土・香港では主要企業の決算報告が進んでいるほか、来週27日に2月の中国工業企業利益、31日に3月の中国製造業PMIが公表される予定だ。
　こうした中、本日の香港・本土マーケットは買いが先行する可能性が高い。米金融システム不安の後退で、昨夜の米株が続伸したことを好感しよう。
　また、主要な中国企業の決算報告が香港で本格化する中、引き続き業績動向に注目が集まりそうだ。本日は、騰訊HD(700/HK)、青島ビール(168/HK)、中国電信(728/HK)、華潤電力HD(836/HK)、石薬集団(1093/HK)、薬明生物技術(2269/HK)、京東健康(6618/HK)などが期末決算を発表する。


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