2022/12/21 08:57
上値の重い展開か、内外の景気不安が逆風
◆21日の香港マーケットは、内外の景気不安で上値の重い展開か。(亜州リサーチ編集部)
外部環境は依然として不透明感が漂う。20日の米株市場は、このところの下落を受けた押し目買いが優勢となったものの、全体としては上値が重かった(主要指標のNYダウが前日比0.3%高、ハイテク株比率の大きいナスダック指数が0.01%高とそろって5日ぶりに反発)。主要国の金融引き締めが景気を冷やすとの懸念がくすぶっている。米連邦準備理事会(FRB)や欧州中央銀行(ECB)などが利上げを継続するスタンスを示す中、日本銀行は20日、サプライズ的に長期金利の許容変動幅を拡大すると発表し、市場では「日銀は実質的な利上げに舵を切った」との見方が広がった。米債券市場では米10年債利回りが前日に続き大幅上昇し、欧州でも独10年債利回りなどが上昇している。
中国国内の環境も厳しい。国内では新型コロナウイルス感染が急増し、足もとの経済活動が停滞すると不安視されている。国家衛生健康委員会は20日、前日の19日に新型コロナ感染に伴い、北京で5人が死亡したと発表。病院の外来には受診者が殺到し、各地で医療体制と医薬品がひっ迫していると伝わっている。政策金利引き下げの期待も後退。中国人民銀行(中央銀行)が昨日公表した銀行貸出指標となる12月の最優遇貸出金利「ローンプライムレート(LPR)」は、1年物(3.65%)と5年物(4.30%)がそれぞれ前月と同水準に続き据え置かれたが、市場の一部では、住宅ローン金利の指標となる5年物の引き下げ観測が浮上していた。また、世界銀行が20日に公表した報告書では、中国の2022年実質成長率見通しが2.7%(9月時点の予測は2.8%)、2023年の見通しが4.3%(同4.5%)に引き下げられている。
こうした中、本日の香港・本土マーケットは全体として上値の重い展開か。上述したように、内外の景気不安が逆風となりそうだ。また、欧米や香港は週末からクリスマス休暇となることもあり(香港は週明け26日と27日が休場)、積極的な売買も手控えられよう。ただ、指数はこのところの下落基調を受け、値ごろ感も強まっている。押し目買いが入ることには期待したい。
内容についてのお問い合わせは<info@ashuir.com>まで。
外部環境は依然として不透明感が漂う。20日の米株市場は、このところの下落を受けた押し目買いが優勢となったものの、全体としては上値が重かった(主要指標のNYダウが前日比0.3%高、ハイテク株比率の大きいナスダック指数が0.01%高とそろって5日ぶりに反発)。主要国の金融引き締めが景気を冷やすとの懸念がくすぶっている。米連邦準備理事会(FRB)や欧州中央銀行(ECB)などが利上げを継続するスタンスを示す中、日本銀行は20日、サプライズ的に長期金利の許容変動幅を拡大すると発表し、市場では「日銀は実質的な利上げに舵を切った」との見方が広がった。米債券市場では米10年債利回りが前日に続き大幅上昇し、欧州でも独10年債利回りなどが上昇している。
中国国内の環境も厳しい。国内では新型コロナウイルス感染が急増し、足もとの経済活動が停滞すると不安視されている。国家衛生健康委員会は20日、前日の19日に新型コロナ感染に伴い、北京で5人が死亡したと発表。病院の外来には受診者が殺到し、各地で医療体制と医薬品がひっ迫していると伝わっている。政策金利引き下げの期待も後退。中国人民銀行(中央銀行)が昨日公表した銀行貸出指標となる12月の最優遇貸出金利「ローンプライムレート(LPR)」は、1年物(3.65%)と5年物(4.30%)がそれぞれ前月と同水準に続き据え置かれたが、市場の一部では、住宅ローン金利の指標となる5年物の引き下げ観測が浮上していた。また、世界銀行が20日に公表した報告書では、中国の2022年実質成長率見通しが2.7%(9月時点の予測は2.8%)、2023年の見通しが4.3%(同4.5%)に引き下げられている。
こうした中、本日の香港・本土マーケットは全体として上値の重い展開か。上述したように、内外の景気不安が逆風となりそうだ。また、欧米や香港は週末からクリスマス休暇となることもあり(香港は週明け26日と27日が休場)、積極的な売買も手控えられよう。ただ、指数はこのところの下落基調を受け、値ごろ感も強まっている。押し目買いが入ることには期待したい。
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