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2020/07/16 09:03

米株高を好感し買い先行か、中国GDPなどは波乱要因にも 無料記事

◆16日の香港マーケットは、米株高を好感し買い先行しそうだが、中国指標の結果によっては乱高下の可能性もあろう。(亜州リサーチ編集部)
 外部環境はポジティブ。昨夜の米株市場では、主要指標のNYダウが前日比0.9%高と4日続伸し、ハイテク株比率の大きいナスダック指数も0.6%高と続伸した(NYダウは約1カ月ぶりの高値水準を回復)。新型コロナウイルスのワクチン開発が進み、経済活動正常化が早まると期待される。米バイオ製薬ベンチャーのモデルナは昨日の引け後、開発中のワクチンについて、初期段階の臨床試験で被験者全体が抗体を獲得したことを詳細なデータを添えて明らかにした。英アストラゼネカが英オックスフォード大学と共同で開発中のワクチンについては、近く良好な結果が報告されると伝わっている。米国立アレルギー感染症研究所(NIAID)のファウチ所長は15日、米国は年内にワクチンを開発する目標を達成できると自信を示した。また、主要企業の4〜6月期決算の発表がスタートするなか、投資銀行のゴールドマン・サックスが予想以上の利益を計上したことも投資家心理を上向かせている。
 他方、米中関係を巡っては、「香港自治法案」の署名前にトランプ米大統領が「中国との緊張をこれ以上エスカレートさせたくない。中国高官に対する追加制裁は当面見送る」と側近に語っていたことが関係者の話として一部外電が報じた。ただ、国家安全保障会議(NSC)の報道官は15日、「大統領は中国高官への追加制裁を科す選択肢を排除していない」と述べている。
 一方、15日の本土株市場では、主要指標の上海総合指数が1.6%安と続落した。米中対立の激化を不安視した売りが続く。トランプ大統領は14日、「香港国家安全維持法」を巡り、関与した中国の当局者や企業、取引関係にある銀行を制裁する「香港自治法案」と、米国が香港に認めてきた優遇措置を廃止する大統領令に署名した。香港自治法の成立を受けて中国外交部は、「必要な措置をとる」と改めて声明している。このところ両国は新型コロナウイルス、ハイテク、国家安全保障など様々な分野で対立を深めている状況だ。米国の制裁による影響が警戒され、銀行株が軒並み売られている。
 本日の日本時間11時ごろには、中国の6月経済統計(小売売上高や鉱工業生産など)と4〜6月GDP成長率が発表される。注目のGDP成長率に関しては、前期(1〜3月)のマイナス6.8%からプラス2.4%に回復するとの予測が市場のコンセンサスだ。
 こうしたなか、本日の香港・本土マーケットは中国指標の内容に左右される展開か。米株高を好感した買いが先行しそうだが、総じて良好と予測されている中国GDPや各種指標が下振れた場合、売りが加速する恐れもあろう。


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