◆26日の香港マーケットは、米株安を嫌気した売りが先行する流れか。(亜州リサーチ編集部)
　外部環境はややネガティブ。25日の米株市場は、地銀の経営不安が再燃する中、主要指標のNYダウが前日比1.0％安と3日ぶりに反落し、ハイテク株比率の大きいナスダック指数が2.0％安と続落している。米中堅地銀ファースト・リパブリック・バンクが報告した四半期決算では、大規模な資金流出が明らかとなった。株価は49.4％急落し、投資家心理悪化の一因となっている。ほか、物流のUPSは通期業績に慎重な見通しを示し、10.0％安。荷動きが停滞するとの見通しを受け、世界経済の鈍化が連想された。また、4月の米消費者信頼感指数が101.3となり、3月改定値（104.0）から低下したこともマイナス。2022年7月以来の低水準に落ち込んだことで、景気懸念が改めて広がった。ただ、引け後に決算発表したアルファベット（グーグル）やマイクロソフトに関しては、業績内容や通期見通しが好感され株価は上昇している。
　一方、中国国内にも不安材料が浮上。今週開催される見通しの中央政治局会議で、追加の刺激策は見送られるとの観測が流れた。4月開催の政治局会議は、例年なら経済対策が焦点となる。
　他方、香港では今週、主要な中国企業の決算報告が集中。本日（26日）は香港交易所(388/HK)や中国海外発展(688/HK)、中国国際航空(753/HK)、安徽海螺水泥(914/HK)、中遠海運港口(1199/HK)、広州汽車集団(2238/HK)、中国平安保険(2318/HK)、招商銀行(3968/HK)、あす27日は、馬鞍山鋼鉄(323/HK)や鞍鋼(347/HK)、中国石油化工(386/HK)、中国海洋石油(883/HK)、比亜迪(1211/HK)、新華人寿保険(1336/HK)、中国人民保険集団(1339/HK)、中国冶金科工(1618/HK)、中国郵政儲蓄銀行(1658/HK)、江西カン鋒リ業集団(1772/HK)、中国中煤能源(1898/HK)、北京汽車(1958/HK)、中国国際海運集装箱(2039/HK)、中国人民財産保険(2328/HK)、中国太平洋保険（集団）(2601/HK)、中国人寿保険(2628/HK)、紫金鉱業集団(2899/HK)、中信証券(6030/HK)などが第1四半期決算を報告する。
　こうした中、本日の香港・本土マーケットは全体として神経質な値動きか。米株安が嫌気されるほか、中国経済対策の期待感後退も重しだ。目先はやはり、業績動向に着目した選別物色となろう。


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