◆28日の香港マーケットは、企業業績をにらみながら方向感を欠く展開か。(亜州リサーチ編集部)
　外部環境は悪くない。24日の米株市場は、米金利高を嫌気しハイテク株は軟調だったが、銀行不安が後退する中、景気敏感株や消費関連株に買いが入り全体相場を支えている。主要指標のNYダウは前日比0.6％高と3日続伸、ハイテク株比率の大きいナスダック指数は0.5％安と3日ぶり反落でそれぞれ取引を終了した。経営破綻したシリコンバレー銀行に関しては、米地銀ファースト・シチズンズ・バンクシェアーズが買収することで米連邦預金保険公社（FDIC）と合意。また、米連邦準備理事会（FRB）の金融監督幹部は、「必要ならば、規模を問わず、全ての預金を保護する」と述べた。大手金融株のほか地銀株が大幅に値上がりしている。欧州市場でもドイツ銀行株が急反発し、主要株価指数が軒並み上昇した。
　一方、内部的には、企業業績の懸念がくすぶる。前日公表された中国工業企業の利益総額は今年1〜2月に前年同期比で22.9％減少し、昨年通年の4.0％減から減少率が拡大した。また香港で佳境に入る決算報告では、主要企業の一部で業績不振が明らかとなっている。なお、本日決算発表する主要企業は、比亜迪(1211/HK)や農夫山泉(9633/HK)、昆侖能源(135/HK)、万洲国際(288/HK)、中芯国際集成電路製造(981/HK)、大唐国際発電(991/HK)、中国南方航空(1055/HK)、中国国際海運集装箱(2039/HK)、申洲国際集団HD(2313/HK)、中国龍工HD(3339/HK)などだ。
　こうした中、本日の香港・本土マーケットは全体として方向感を欠く展開か。欧米の金融株高は支えとなりそうだが、企業業績の動向が気がかりだ。決算報告をにらみながらの流れとなろう。


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