◆17日の香港マーケットは、米中の景気懸念で上値の重い展開か。(亜州リサーチ編集部)
　外部環境はネガティブ。16日の米株市場は、米消費活動の先行き不安が高まる中、主要指標のNYダウが前日比1.0％安、ハイテク株比率の大きいナスダック指数が0.2％安とそろって反落した。4月の米小売売上高は前月比0.4％増にとどまり、予想（0.8％増）を下回っている。ほか、ホームセンターのホーム・デポが公表した2〜4月期決算では、売上高が予想以上に減少し、通期見通しも下方修正された。消費関連株のほか、景気敏感株にも売りが広がっている。また、米連邦政府の債務上限問題を巡っては、バイデン米大統領と野党・共和党のマッカーシー下院議長らが16日に協議する予定。結果も気がかり材料となった（マーケット引け後に会談は終了、合意には至らなかった）。
　米国の対中圧力も不安材料。民主党の上院トップ、シューマー院内総務は16日、半導体規制に続く対中法案「第2弾」として、対中投資規制の新制度や米国内の土地取得制限などを検討していると表明した。
　内部環境も不透明。16日午前に公表された4月の中国経済統計では、小売売上高や鉱工業生産が予想を下回り、総じて弱い内容だった。これまでに報告された4月の経済指標に関しても、景気鈍化を示唆する内容が相次いでいる。中国経済持ち直しが遅れていると不安視された。
　こうした中、本日の香港・本土マーケットは全体として上値の重い展開か。上述したように、米中の景気懸念が投資家心理を冷やしそうだ。ただ、中国経済対策の期待感は根強く、下値を拾う動きには期待したい。また、昨日引け後、インターネット検索最大手の百度集団（バイドゥ：9888/HK、BIDU/NASDAQ）が1〜3月期決算を発表。売上高と1株利益は市場予想を上回った。米上場の同社ADRは4.0％上昇。香港での値動きにも期待したい。


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