◆23日の香港マーケットは、米株安を嫌気した売りが先行する流れか。(亜州リサーチ編集部)
　外部環境はネガティブ。22日の米株市場は、金融政策を巡る不安感がくすぶる中、主要指標のNYダウが前日比1.6％安、ハイテク株比率の大きいナスダック指数も1.6％安とそろって3日ぶりに反落した。22日の米連邦公開市場委員会（FOMC）で決定された利上げ幅は予想通り0.25％にとどまったものの、パウエル米連邦準備理事会（FRB）議長はその後の記者会見で、「インフレ鎮静化が最優先」とし、「必要に応じて一段の利上げをする用意がある」と述べている。また、イエレン米財務長官は22日、銀行システムを安定化させるための「全面的な預金保護」は検討していないと発言した。FOMC後に株価は一進一退したが、議長発言後、下げ幅を拡大している。
　一方、内部的には目新しい材料に乏しい。企業業績や経済動向を見極めたいとするムードが漂う状況だ。主要企業の決算報告は香港・中国本土で進んでいる。また、来週27日に2月の中国工業企業利益、31日に3月の中国製造業PMIが公表される予定だ。
　こうした中、本日の香港・本土マーケットは全体として苦戦を強いられよう。中国本土に新規買い材料が乏しい中、上述したように外部環境の不透明感が重しとなりそうだ。
　なお、香港では主要企業の決算報告が本格化している。本日は、中国移動(941/HK)や中升集団HD(881/HK)、中国東方教育HD(667/HK)、中国民航信息網絡(696/HK)、中国中煤能源(1898/HK)、瑞声科技HD(2018/HK)、京信通信系統HD(2342/HK)、中国電力国際発展(2380/HK)、中海油田服務(2883/HK)などが期末決算を発表する。
　前日引け後に公表された注目の決算では、インターネットサービス中国最大手の騰訊HD（テンセント・ホールディングス：700/HK）が1％減収16％減益だった。通期の減収減益は上場来で初めてとなる。株価動向に注目が集まろう。


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