◆5日の香港マーケットは、好悪材料が入り混じる中で方向感を欠く展開か。(亜州リサーチ編集部)
　外部環境は依然として不透明。4日の米株市場は、米地銀の経営不安が止まらず、主要指標のNYダウが前日比0.9％安、ハイテク株比率の大きいナスダック指数が0.5％安とそろって4日続落した。米地銀のパックウエスト・バンコープは4日、身売りや増資などを含む経営改善策を検討していると発表。同行株は50％超下落し、破綻したファースト・リパブリック銀行の余波が続ていると警戒された。他の地銀株も急落し、大手金融にも売りが広がっている。米株市場の不安心理を表すVIX（20を超えると不安心理が高まった状態とされる通称「恐怖指数」）は20.09となり、前日比で9.5％上昇。今年3月27日以来、再び節目の20を上回った。
　一方、中国国内では景況感悪化を背景に、景気対策への期待が広がっている。4月30日に公表された4月の中国製造業PMI（国家統計局などが集計）が節目の50を割り込んだことに続き、4日公表された民間集計の財新中国製造業PMIも50を割り込んだ。
　こうした中、本日の香港・本土マーケットは全体として方向感を欠く展開か。上述したように、米金融不安と中国政策期待が綱引きとなろう。


内容についてのお問い合わせは＜info@ashuir.com＞まで。