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2023/06/07 08:57

米ハイテク株高で買い先行か、中国経済対策の期待感も追い風 無料記事

◆7日の香港マーケットは、米市場のハイテク株高と中国経済対策の期待感で買いが先行する流れか。(亜州リサーチ編集部)
 外部環境は安定的。6日の米株市場は、米長期金利の低下を手がかりに、主要指標のNYダウが前日比0.03%高、ハイテク株比率の大きいナスダック指数が0.4%高とそろって反発した。米債券市場では、米10年債利回りが小幅ながら連日で低下。金利安により、株価の割高感が薄れ、高PER(株価収益率)のハイテク株などが物色された。ナスダック指数は終値で再び年初来高値を更新し、22年4月以来の高水準を回復している。ただ、上値は重い。来週13〜14日に開催される米連邦公開市場委員会(FOMC)が気がかり材料として意識された。会合では利上げ停止が見込まれているものの、次回の7月や9月に利上げが再開されるとの不安もくすぶっている。
 他方、世界景気の過度な先行き不安は後退。世界銀行は6日、世界の2023年実質経済成長率見通しを2.1%に上方修正した(1月時点では1.7%)。うち、中国に関しては、前回予想の4.3%から5.6%に引き上げている。
 中国国内では経済対策の期待感が持続。外電が6日午後報じたところによれば、中国当局は大手商業銀行に対し、預金金利の一段の引き下げを促したもようだ。少なくとも今年に入り2回目の要請となる。預金金利の引き下げで銀行の資金調達コストが下がれば、貸出金利の引き下げにつながる可能性もある。一部外電はこれに先立つ2日、「中国政府は不動産業界を支援する一連の措置を検討している」と伝えている。
 なお、中国ではきょう7日、5月の貿易統計が公表される予定。市場コンセンサスは、米ドル建て輸出が前年同月比1.8%減(前月は8.5%増)、輸入が8.0%減(同7.9%減)で着地する見込みだ。また、9日には同月の物価統計が発表される。
 こうした中、本日の香港・本土マーケットは買いが先行しそうだ。米ハイテク株高が好感されるほか、中国経済対策の期待感が投資家心理を上向かせそうだ。ただ、貿易統計の内容によっては、相場の波乱要因となる恐れもあるので注意したい。


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