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2023/07/05 08:56

上値の重い展開か、中国と西側諸国の関係悪化を警戒 無料記事

◆5日の香港マーケットは、投資家のリスク回避スタンスで上値の重い展開か。(亜州リサーチ編集部)
 外部環境はやや不透明。4日の米株市場は、独立記念日の祝日で休場だったが、場が開いていた欧州市場では、主要株価指数が軟調に推移した(独DAXは0.3%安、英FTSE100は0.1%安、仏CAC40は0.2%安など)。景気懸念が強まっている。6月の英製造業PMI(改定値)は46.5となり、5月の47.1から低下した。
 中国と西側諸国の関係悪化も警戒される。欧州連合(EU)の外交トップ、ボレル副委員長が来週予定していた訪中について、中国政府が延期したことが4日分かった。理由は明らかにされていない。足もとでは、半導体分野などを巡り、米国を中心とした西側諸国と中国の間で、応酬が強まっている。中国商務部は3日、半導体製造に不可欠なガリウムやゲルマニウムの輸出を制限すると発表。市場関係者は、米国など西側諸国が先ごろ、半導体製造装置の中国向け輸出を規制したことに対する報復措置とみている。他方、外電は4日、事情に詳しい複数関係者の話として「バイデン米政権は中国企業を対象に、米国のクラウドサービスの利用を制限する準備を進めているもよう」などと報じた。
 なお、中国では本日(日本時間10時45分ごろ)に、6月の財新中国サービス業PMI(民間集計)が公表される。最新のコンセンサス予想では、前月の57.1から56.2に低下する見込みだ。直近で発表された各種経済指標は、中国景気の回復遅れを示唆する内容が多く見受けられる。
 こうした中、本日の香港・本土マーケットは全体として上値の重い展開か。中国経済対策の期待感や人民元相場の安定などは支えとなりそうだが、半導体分野のサプライチェーン混乱や、世界景気の先行き不透明感が投資家のリスク回避スタンスを強めさせそうだ。


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