◆21日の香港マーケットは、中国経済対策の期待感で下値の堅い展開か。(亜州リサーチ編集部)
　外部環境は依然として不透明。20日の海外マーケットは、米市場がプレジデンツデーの祝日で休場だったが、場が開いていた欧州市場の主要株価指数は概ね軟調だった。米株価指数の先物も下落して推移している。米インフレ高止まりが警戒される中、「米連邦準備理事会（FRB）は積極的な利上げを続ける」との見方が重しだ。
　一方、内部環境は悪くない。中国当局は経済対策を強めている。中国人民銀行（中央銀行）は20日、リバースレポ取引を通じ、満期分との差引で2240億人民元（約4兆3800億円）を市中供給。人民銀は先週末の17日も巨額資金を供給していた。また、23年新規専項債（公益事業向け資金調達を行う特別地方債）に関しても、前倒し発行額は前年同期比で大幅に増加したことが判明している。2月の最優遇貸出金利「ローンプライムレート（LPR）」は前月から据え置かれたものの、住宅ローン金利の指標となる5年物LPRについては、「今後、不動産市況の回復が予想を下回るペースにとどまるようであれば、3月以降に5年物LPRが引き下げられる可能性がある」と一部ブローカーは予測した。全国人民代表大会（全人代、国会に相当）の開幕（3月5日）が視野に入ってきたこともプラス。景気テコ入れに向け、各種方針が打ち出されると見込まれる。
　こうした中、本日の香港・本土マーケットは全体として下値の堅い展開か。米金融引き締めの長期化や、米中関係の悪化など不安材料は山積しているが、中国の経済対策に対する期待感が相場を支えよう。


内容についてのお問い合わせは＜info@ashuir.com＞まで。