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2022/12/20 08:53

売り先行か、内外に不安材料 無料記事

◆20日の香港マーケットは、内外の不安材料で売り継続か。(亜州リサーチ編集部)
 外部環境はネガティブ。19日の米株市場は、景気後退(リセッション)の警戒感が持続し、主要指標のNYダウが前営業日比0.5%安、ハイテク株比率の大きいナスダック指数が1.5%安とそろって4日続落した。米連邦準備理事会(FRB)や欧州中央銀行(ECB)などは金融引き締めを長期化するとの見方が根強い中、金利高が景気を冷やすと不安視されている。米債券市場では、米10年債利回りが上昇。株価の割高感を意識し、ハイテクなど高PER(株価収益率)のグロース(成長)株に売りが先行した。
 中国国内にも不安材料がある。新型コロナウイルス感染が急増し、足もとの経済活動が停滞すると懸念される状況だ。上海市では地下鉄の12月乗客数が急減。金融市場では、関係者の欠勤が相次いでいる。中国証券監督管理委員会(CSRC)は先週、毎週開催しているIPOの審査会議を中止した。株式市場の商いも細っている。ワールド・エコノミクスが19日発表した最新調査によると、今年12月の中国企業信頼感(business confidence)は、この調査が開始された2013年1月以降で最低水準に落ち込んだ。新型コロナ防疫措置の緩和で感染が急拡大し、経済活動にネガティブな影響が及ぶと分析されている。
 本日は中国人民銀行(中央銀行)が銀行貸出指標となる12月の最優遇貸出金利「ローンプライムレート(LPR)」を発表する(日本時間午前10時15分ごろ)。市場コンセンサス予想では、1年物(前月は3.65%)と5年物(同4.30%)がそれぞれ前月(11月)と同水準に続き据え置かれる見通しだ。ただ、市場の一部では、当局が景気を下支えするため、引き下げるとの観測も流れている。
 こうした中、本日の香港・本土マーケットは売りが先行しそうだ。中国当局が経済対策を強めていることはプラスだが、国内のコロナ感染者急増や欧米の金利高が投資家心理を冷やすとみられる。



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