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2023/10/12 08:30

買い先行か、米長期金利の低下基調を好感 無料記事

◆12日の香港マーケットは、米金利低下を好感した買いが先行する流れか。(亜州リサーチ編集部)
 外部環境は良好。11日の米株市場は、インフレ懸念は重しとなったものの、連日で米長期金利が低下したことを手がかりに買いが優勢となった。主要指標のNYダウは前日比0.2%高、ハイテク株比率の大きいナスダック指数は0.7%高とそろって4日続伸している。米債券市場では、米10年債利回りが前日の4.65%台→4.55%台に低下。先週6日は一時、4.88%台に達していた。朝方公表された9月の米卸売物価指数(PPI)は予想を上回り、前月から加速したものの、市場では、米連邦準備理事会(FRB)の政策判断に影響はないとの見方が広がっている。FRB関係者などからはこのところ、「追加利上げの必要性は低い」との認識が相次ぐ状況だ。FRBのウォラー理事は11日、「足元の金利高がインフレ鎮静化につながる可能性がある」と述べた。これより先、アトランタ連銀のボスティック総裁は10日、現在の金融政策は十分に抑制的だとして、「当局はこれ以上政策金利を引き上げる必要はない」と発言している。取引時間中に公表された米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨(9月19〜20日開催分)では、大半のメンバーが「年内にもう一回の利上げが適切」とみていた一方、数人のメンバーは「利上げ休止が正当化される」としていたことが判明した。上述したように、直近では「金利据え置き」を示唆する関係者の発言が多く、「FRBはハト派(緩和的)スタンスに舵を切る」との期待もある。
 中国国内の環境も悪くない。国内の景気懸念はくすぶるものの、経済対策の期待感が高まっている。外電は10日に消息筋情報として、「経済成長目標の達成に向け、中国政府が新たな景気刺激策の準備を進めているもよう」などと報じた。報道によれば、2023年財政赤字の拡大を容認することを検討しており、少なくとも1兆人民元(約20兆4000億円)の国債を追加発行することも考えているという。実施されれば、中国政府は財政政策を大転換したこととなる。
 こうした中、本日の香港・本土マーケットは全体としてしっかりとした展開となろう。米金利の低下基調がポジティブ材料だ。ただ、中東地域のニュースフローには注意したい。パレスチナ自治区ガザ地区を実効支配するハマスとイスラエルの「戦争」は激化しつつある。「イスラエル軍はガザ地区に地上侵攻する準備を進めている」と伝わった。


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