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2023/10/19 08:34

下値を探る展開か、内外環境が不透明 無料記事

◆19日の香港マーケットは、内外環境の不透明感で下値を探る展開か。(亜州リサーチ編集部)
 外部環境はネガティブ。18日の米株市場は、中東情勢とインフレ進行の不安感で売られる展開だった。主要指標のNYダウが前日比1.0%安と4日ぶりに反落し、ハイテク株比率の大きいナスダック指数は1.6%安と続落している。中東情勢を巡っては、バイデン米大統領が18日、イスラエルでネタニヤフ首相と会談したものの、アラブ首脳との会談は先送りとなった。パレスチナ自治区ガザ地区の病院が爆撃されたことを受け、地政学リスクが高まっている。中東原油の供給がタイトになるとの観測が強まる中、WTI原油先物は1.9%上昇。インフレが進むとの見方で、米10年債利回りは4.91%に上昇し、2007年10月以来、約16年ぶりの高水準に達した。
 一方、中国では景気懸念がくすぶっている。前日公表された経済指標は、強弱感の分かれる内容だった。今年第3四半期(7〜9月)の国内総生産(GDP)成長率は前年同期比4.9%にとどまり、前四半期(4〜6月)の実績(6.3%)を下回ったものの、市場予想(4.5%)は上回っている。9月の小売売上高や鉱工業生産も上振れた。半面、都市部の1〜9月固定資産投資は予想を下回り、不動産開発投資は減少率が拡大している。個人消費は持ち直しているものの、不動産投資の回復遅れが経済成長の足かせになると分析された。
 なお、中国人民銀行(中央銀行)はあす20日(日本時間10時15分ごろ)、実質的な政策金利となる最優遇貸出金利「ローンプライムレート(LPR)」を発表する。市場コンセンサス予想では、1年物、5年物いずれも現行水準(それぞれ3.45%、4.20%)に据え置かれる見通しだ。
 こうした中、本日の香港・本土マーケットは下値を探る展開か。上述したように、内外の不安材料が投資家心理を冷やしそうだ。ただ、本土市場には、「国家隊」と呼ばれる中国政府系投資会社が相場下支えに動くとの期待もある。下げ渋りが見られた場合、買い戻しが進む可能性もあろう。


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