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2023/10/10 08:44

しっかりか、米追加利上げの警戒感薄らぐ 無料記事

◆10日の香港マーケットは、米追加利上げの懸念後退でしっかりとした展開か。(亜州リサーチ編集部)
 外部環境はそれほど悪くない。9日の米株市場は、中東地域の地政学リスク浮上で売り先行したが、米連邦準備理事会(FRB)の金融引き締めが長期化するとの警戒感が薄れる中、中盤から上昇に転じた。主要指標のNYダウは前営業日比0.6%高、ハイテク株比率の大きいナスダック指数は0.4%高とそろって続伸している。パレスチナ自治区ガザ地区を実効支配するハマスは7日、イスラエルに向け大量のロケット弾を発射。イスラエル側も報復措置でガザ地区を空爆し、同国のネタニヤフ首相は7日、「我々は戦争状態にある」と声明した。株価指数は大きく下げたものの、売り一巡後に上昇。FRBのジェファーソン副議長や米ダラス連銀のローガン総裁は、このところの金利高を受け、「追加利上げの必要性は低下している」とそれぞれ述べたことが買い安心感につながった。
 中国国内の環境も安定的。中秋節・国慶節の8連休(9月29日〜10月6日)中の消費伸び悩みが伝わる中、当局は景気対策を強めるとの期待も広がる状況だ。足元では証券ブローカー各社が中国の2023年国内総生産(GDP)について、相次ぎ成長見通しを上方修正している。
 米中関係の改善期待も持続。超党派の米議員団が7日から中国を訪問し、米上院の民主党トップ、シューマー院内総務らと習近平・国家主席は9日に会談した。習氏は「多くの米議会議員が訪中することを歓迎する」と述べ、シューマー氏は「米国は中国との衝突を臨んでいない」と言明した。11月に米国で開催されるアジア太平洋経済協力会議(APEC)に合わせ、習主席とバイデン米大統領が会談する可能性も高まっている。
 こうした中、本日の香港・本土マーケットは全体としてしっかりとした展開となりそうだ。中国国内で新規の手がかり材料に乏しい中、米追加利上げの警戒感が薄らいだことを材料視しよう。外国為替市場で、対米ドルでの人民元相場が続伸していることもプラスだ。


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