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2023/12/05 08:39

方向感を欠く展開か、新規材料に乏しく 無料記事

◆5日の香港マーケットは、新規の取引材料に乏しい中で方向感を欠く展開か。(亜州リサーチ編集部)
 外部環境はやや不透明。4日の米株市場は、様子見ムードが漂う中で、利益確定売りが優勢となる展開だった。主要指標のNYダウが前日比0.1%安と5日ぶりに反落し、ハイテク株比率の大きいナスダック指数も0.8%安と反落している。NYダウは先週、年初来高値を更新し、2022年1月以来の高値を付けていた。今週は、5日に11月のISM非製造業指数と10月の米雇用動態調査(JOLTS)、6日に11月のADP雇用統計(民間)、8日に11月の雇用統計(米労働省)と12月のミシガン大消費者信頼感指数(速報値)など経済指標の発表が相次ぐ。また、米連邦公開市場委員会(FOMC)は来週12〜13日開催される予定で、関係者が金融政策に関する発言を自粛するブラックアウトの期間に入っている。このところの上昇が急ピッチだったこともあり、いったん利益を確定する動きが広がった。米債券市場では、前営業日に今年9月以来の低い水準を付けていた米10年債利回りが上昇に転じている。もっとも、米利上げサイクルの終了期待は根強く、主要指数の下げ幅は限定された。
 一方、中国国内では景気不安が依然としてくすぶっている。また、資金の流動性低下も警戒される状況だ。中国人民銀行(中央銀行)は先週に続き、市場から資金を吸収している。前日(4日)は、リバースレポ取引を通じ、満期分との差引で4340億人民元を市中から吸収した。今週は大量償還が予定されている。ただ、政策期待は継続。翌年の経済政策方針を決める中国の重要会議「中央経済工作会議」は、今月中旬にも開催される見通しだ。
 こうした中、本日の香港・本土マーケットは全体として方向感を欠く展開か。上述したように、新規の取引材料に乏しい。模様眺めのスタンスが強まりそうだ。ただ、ハンセン指数は前日、連日で年初来安値を更新し、約1年1カ月ぶりの安値水準に達しただけに、自律反発狙いの買いが入ることには期待したい。また、本土市場では「国家隊」と呼ばれる政府系ファンドがマーケットを買い支えるとの観測もある。


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