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2020/04/06 09:16

方向感を欠く展開か、好悪材料が入り混じる 無料記事

◆週明け6日の香港マーケットは、世界景気の後退懸念で上値の重い展開か。
 外部環境には不透明が漂う。先週末の米株市場では、主要指標のNYダウが前日比1.7%安、ハイテク株比率の大きいナスダック指数が1.5%安とそろって反落した。米雇用情勢の悪化を嫌気。3月の米雇用統計では、非農業部門の雇用者数が予想以上に減少し、失業率は4.4%と前月から大幅に増加した。政府機関によれば、新型コロナウイルスの影響により、失業率は4〜6月に10%を超えるとの予測もある。また、国際通貨基金(IMF)の専務理事は3日、新型コロナで世界的な経済活動が停止し、金融危機時(リーマン・ショック)よりも深刻なリセッション(景気後退)に陥るとの見解を示した。
 原油相場の動向も気がかり。石油輸出国機構(OPEC)の関係者は4日、加盟国と非加盟産油国による「OPECプラス」の会合を9日に延長することを明らかにした(当初は6日を予定)。日本時間6日朝方の時点で、WTI原油先物(時間外取引)は急落している。
 ただ、好材料も浮上。ニューヨーク州知事は5日、「(コロナ感染による)1日あたりの死者数は初めて前日比で減少した」と述べた。6日朝方は、グローベックスのNYダウ先物が急反発している。
 一方、3日の本土株市場では、主要指標の上海総合指数が0.6%安と反落。買い手控えスタンスが強まった。清明節連休を4〜6日に控えて、新型コロナウイルスを巡る連休中の動きが警戒されている。海外マネーの流出もマイナス。中国・香港間の相互取引スキームを通じた3日の売買では、香港経由の本土株売買が売り越しに転じた。
 ただ、プラス材料もある。中央銀行の中国人民銀行は3日、中小銀行に対する預金準備率を引き下げると発表。実体経済の下支えが期待されそうだ。
 こうしたなか、本日の香港マーケットは全体として方向感を欠く展開か。上述したように、好材料と悪材料が交錯している。中国が清明節連休となることから、本土発の材料に乏しいことも積極的な売買を手控えさせよう。


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