◆23日の香港マーケットは、反発のタイミングを計る展開となろう。(亜州リサーチ編集部)
　外部環境はポジティブ。22日の米株市場は、米経済の軟着陸（ソフトランディング）期待が相場を押し上げる展開だった。主要指標のNYダウが前営業日比0.4％高、ハイテク株比率の大きいナスダック指数が0.3％高とそろって3日続伸している。NYダウは連日で史上最高値を更新した。足元で公表された経済指標は、インフレを抑えつつ、景気持ち直しを示唆する内容が多い。主要企業の決算報告が本格化する中、主力ハイテク企業を中心に業績改善が見込まれていることも買い安心感につながっている。
　他方、内部環境はネガティブ。中国経済の先行き不安が一段と高まっている。格付け会社のムーディーズ・インベスターズ・サービスは19日、中国の4大国有資産管理会社（AMC）の長期発行体格付けを軒並み引き下げた。市場で期待されている金融緩和や財政出動に関しても、当局に踏み切る気配がなく、投資家のセンチメントも悪化している。一方、国務院（内閣に相当）は22日の常務会議で、株式市場を安定化させるため、一段の効果的な対策を打つよう求めた。
　こうした中、本日の香港・本土マーケットは反発の機会を伺う展開となろう。内部環境の不透明感や、米中対立の激化懸念などマイナス材料は山積しているものの、指数はこのところの下落が大きいだけに、値ごろ感も強まっている（足元では、ハンセン指数が2022年10月以来の安値、上海総合指数が20年4月以来の安値）。自律反発狙いの買いが入ることに期待したい。


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