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2023/10/27 08:49

神経質な値動きか、好悪材料が入り混じる 無料記事

◆27日の香港マーケットは、好悪材料が入り混じる中で神経質な値動きか。(亜州リサーチ編集部)
 外部環境はややネガティブ。26日の米株市場は、大手ハイテク企業の業績不安が引き続き全体相場の重しとなる展開だった。主要指標のNYダウが前日比0.8%安、ハイテク株比率の大きいナスダック指数が1.8%安とそろって続落している。主要企業の決算報告が進む中、主力ハイテク企業に業績不安が相次いだ。交流サイトのメタ・プラットフォームズ(旧フェイスブック)が3.7%安。同社が公表した7〜9月期決算は予想を上回る増収増益だったものの、決算説明会で広告収入の弱含みが指摘されたことを嫌気した。ネット検索のアルファベット(グーグル)が2.7%安。期待されたクラウド部門の業績不振が引き続き売り材料となった(前日は9.5%安)。他方、この日公表された経済指標では、23年第3四半期の米実質国内総生産(GDP)速報値が4.9%増に上向き、予想を上回る一方、米連邦準備理事会(FRB)がインフレ動向の目安とする個人消費支出(PCE)の食料とエネルギーを除くコア指数は前四半期から鈍化している。経済は堅調だがFRBが引き締めを強めるほどではない――との声が一部から聞かれた。米債券市場では、米10年債利回りが急低下している。
 一方、内部的には好悪材料が交錯する状況。まず、当局が金融支援スタンスを強めていることはプラスだ。中国人民銀行(中央銀行)は先週20日にリバース・レポを通じ巨額の資金供給(7330億人民元、約15兆2830億円)を実施して以来、26日まで連日で市中に資金を供給している。「物足りない」との見方があるものの、国債増額など景気刺激策も発表した。半面、景気懸念は依然としてくすぶる。不動産デベロッパー大手、碧桂園HD(カントリー・ガーデン・ホールディングス:2007/HK)が発行した米ドル建て債券について、初めてデフォルト(債務不履行)の判断が下された。不動産業界の低迷が経済全体の圧力になると懸念されている。英国と香港に拠点を置く大手金融のスタンダード・チャータード(2888/HK)が26日公表した7〜9月期決算は、中国不動産の投資による損失計上で、利益が予想を下回った(26日の同社株は11.4%安)。
 なお、香港では主要企業の四半期決算発表がピークを迎える。本日27日に予定している企業は、江西銅業(358/HK)や安徽海螺水泥(914/HK)、中国南方航空(1055/HK)、中国神華能源(1088/HK)、エン鉱能源集団(1171/HK)、中国農業銀行(1288/HK)、中国工商銀行(1398/HK)、中国郵政儲蓄銀行(1658/HK)、万科企業(2202/HK)、中国平安保険(2318/HK)、長城汽車(2333/HK)、交通銀行(3328/HK)、招商銀行(3968/HK)、洛陽欒川モリブデン業集団(3993/HK)などだ。
 こうした中、本日の香港・本土マーケットは全体として神経質な値動きとなろう。米国の長期金利低下や中国の資金供給などが支えになる一方、中国の景気懸念が重しとなる。目先は、決算動向に着目した選別物色となろう。


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