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2023/11/03 08:36

しっかりか、米金利の低下基調が支え 無料記事

◆3日の香港マーケットは、米金利の低下基調を材料にしっかりとした展開か。(亜州リサーチ編集部)
 外部環境はポジティブ。2日の米株市場は、米利上げサイクルの終了期待で買われる展開だった。主要指標のNYダウが前日比1.7%高と4日続伸し、ハイテク株比率の大きいナスダック指数が1.8%高と5日続伸している。雇用指標の結果を受け、賃金インフレの鈍化が連想され、金融引き締め長期化の警戒感が一段と後退した。米労働省が2日発表した新規失業保険申請件数(週間)は前週から予想以上に増加し、継続受給者数は6週連続で増加した上で、4月以来の高水準となっている。米連邦準備理事会(FRB)は1日まで開催したFOMCで、予想通り2会合連続で政策金利を据え置くことを全会一致で決定した。次回会合(12月)でも利上げが見送られる――との見方が広がりつつあり、利上げ終了の期待も高まっている。米債券市場では、米10年債利回りの低下が続き、約3週ぶりの低い水準に達した。米株市場の不安心理を表すVIX(20を超えると不安心理が高まった状態とされる通称「恐怖指数」)は、前日比で7.2%低い15.66で終了。9月20日以来の低水準に落ち着いた。
 米中関係の改善期待も続く。中国外交部の汪文斌・副報道局長は2日の記者会見で、米中両国は来週、米首都ワシントンで高官級の核軍縮協議を開くことを明らかにした。それより先、米中両国は、11月に米国で開催されるアジア太平洋経済協力会議(APEC)の首脳会議に合わせ、バイデン米大統領と中国の習近平・国家主席が対面会談することで原則合意したと発表している。
 一方、内部環境は厳しい。官民で公表された中国の景況感指数がそろって悪化し、国内経済の鈍化懸念が強まっている。1日に公表された10月の財新中国製造業PMI(民間による)は49.5に低下し、景況判断の境目となる50を3カ月ぶりに割り込んだ。10月31日に発表された中国製造業PMI(国家統計局などによる)も市場予想を下回り、節目の50を再び割り込んでいる。ただ、「景気不安は景気対策につながる」との見方も多く、経済対策の期待感も高まる状況だ。
 なお、中国では本日(日本時間10時45分ごろ)、10月の財新中国サービス業PMI(民間集計)が公表される。最新のコンセンサス予想では、前月の50.2から51.0に上向く見込みだ。
 こうした中、本日の香港・本土マーケットは全体としてしっかりとした展開か。中国の景気不安は依然としてくすぶるものの、米長期金利の低下基調が相場の支えとなりそうだ。


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