/ 詳細
検索 (期間指定)
期間
亜州リサーチFacebook公式ページ 亜州リサーチYoutube公式チャンネル

2024/04/11 08:35

売り先行か、米利下げ後ずれ観測が重荷に 無料記事

◆11日の香港マーケットは、米利下げ先送り観測で売り先行か。(亜州リサーチ編集部)
 外部環境はネガティブ。10日の米株市場は、米消費者物価指数(CPI)の上振れが投資家心理を冷やす展開だった。主要指標のNYダウが前日比1.1%安と3日続落し、ハイテク株比率の大きいナスダック指数が0.8%安と4日ぶりに反落している。朝方公表された今年3月の米CPIは前年同月比で3.5%上昇し、市場予想(3.4%)以上に前月(3.2%)から加速。米連邦準備理事会(FRB)が金融政策で重要視する食品・エネルギー価格を除いたコアCPIに関しては、市場の鈍化予想(3.7%)に反し、前月と同じ3.8%と高止まりした。当局のインフレ目標2.0%を依然として上回る状況で、米連邦準備理事会(FRB)の利下げ開始が6月から9月に後ずれするとの観測が強まっている。米債券市場では米10年債利回りが急上昇し、昨年11月以来の高水準を付けた。
 一方、中国では本日(日本時間10時半ごろ)、今年3月の物価統計が公表される予定。市場コンセンサスでは、消費者物価指数(CPI)の上昇率が前年同月比プラス0.4%(前月はプラス0.7%)、生産者物価指数(PPI)がマイナス2.8%(同マイナス2.7%)で着地する見通しだ。
 経済見通しもやや不透明。中国経済については、強弱感が分かれている。格付け会社フィッチ・レーティングスは9日、中国の信用格付け見通しを「安定的(ステーブル)」から「弱含み(ネガティブ)」に引き下げた。他方、ゴールドマン・サックスは10日、2024年の成長率見通しを従来の前年比4.8%→5.0%に上方修正している。
 こうした中、本日の香港・本土マーケットは苦戦を強いられそうだ。上述したように、米国の利下げ後ずれ観測が重しだ。また、中国の物価統計でデフレ脱却の兆しが見られなかった場合、売りに拍車がかかる恐れもある。


内容についてのお問い合わせは<info@ashuir.com>まで。

関連ニュース同じカテゴリーのニュース