◆23日の香港マーケットは、米株上昇と原油市況高を好感してしっかりとした展開か。
　外部環境は安定的。昨夜の米株市場では、主要指標のNYダウが前日比2.0％高、ハイテク株比率の大きいナスダック指数が2.8％高とそろって3日ぶりに反発した。米経済の回復期待が強まり、投資家のリスク回避スタンスがやや後退。ムニューシン米財務長官は22日、米メディアのインタビューで、新型コロナウイルス感染拡大により停止している経済活動に関し、「ほとんどは、8月末までに再開するだろう」と述べている。ジョージアなど南部の複数州は、今週にもロックダウン（都市封鎖）を緩和する見込み。ミシガンやオハイオなど中西部の州も5月1日に経済再開を目指す方針を示している。原油相場の持ち直しもプラス。一時10％超下げたWTI原油先物は、19.1％高と反発で終了した。週間の原油在庫が発表され、過去最高に迫ったことが明らかにされたものの、逆に、協調減産の強化につながるとの見方が広がっている。
　一方、22日の本土株市場は、主要指標の上海総合指数が0.6％高と反発。新型コロナの警戒感が薄らいでいる。国家衛生健康委員会が21日に開いた会見によると、コロナ感染者の回復率は足元で94％以上に達した。22日午前零時の時点で、新たな死亡者は前日に続き確認されていない。各地で経済活動の再開が進むなか、景気回復の期待も高まる状況だ。感染拡大の発端となった湖北省武漢市では、地下鉄・バスなど公共交通機関が22日から全面再開されている。また、中国外交部の耿爽報道官は21日、ビジネスを目的とする入国に関し、新型コロナウイルス対策としての規制を緩和する方向で一部国家と協議を進めていると報告した。
　こうしたなか、本日の香港・本土マーケットは全体としてしっかりとした展開か。上述したように、米株の上昇と原油相場の持ち直しが好感されそうだ。また、香港では主要企業の四半期（1〜3月）決算報告が本格化している。業績動向を手がかりにした物色もみられよう。



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