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2023/12/06 08:50

買い先行か、米長期金利の低下が支えに 無料記事

◆6日の香港マーケットは、米長期金利の低下を支えに買い戻しが入る展開か。(亜州リサーチ編集部)
 外部環境は中立。5日の米株市場は、景気不安と金利低下の綱引きでまちまちの展開だった。主要指標のNYダウが前日比0.2%安と続落する一方、ハイテク株比率の大きいナスダック指数は0.3%高と反発している。米金融当局が金融政策で重要視する雇用関係の指標が弱含み、米利上げサイクルの終了期待が高まった。米労働省が公表した10月の米雇用動態調査(JOLTS)では、求人件数が予想を下回っている。米サプライマネジメント協会(ISM)が発表した11月の製造業景況指数は予想をやや上回ったが、構成要素の雇用指数は予想よりも弱かった。米債券市場では、米10年債利回りが再び急低下。3カ月ぶりの水準に達した。ハイテクなど高PER(株価収益率)のグロース(成長)株にとっての追い風となっている。半面、景気減速の警戒感でバリュー(割安)株は売りに押された。
 一方、内部環境は不透明。中国では、影の銀行(シャドーバンキング)や不動産デベロッパーの債務問題が依然としてくすぶっている。中国人民銀行(中央銀行)の資金吸収スタンスも不安材料だ。そのほか、格付け見通しの引き下げも懸念材料。財政および経済状況に下振れリスクがあるとして、格付け会社のムーディーズ・インベスターズ・サービスは5日、中国の信用格付け見通しを「安定的(ステーブル)」から「弱含み(ネガティブ)」に引き下げている。
 ただ、当局が景気対策を強めるとの期待も根強い。翌年の経済政策方針を決める中国の重要会議「中央経済工作会議」は、今月中旬にも開催される見通しだ。
 こうした中、本日の香港・本土マーケットは、いったん買い戻しが入る展開か。米長期金利の低下を支えに、自律反発狙いの買いが先行しそうだ。このところの急ピッチな下落で、昨日はハンセン指数が昨年11月10日以来、上海総合指数が10月24日以来の安値水準をそれぞれ切り下げている。
 ただ、中国ではあす7日に11月の貿易統計、9日に11月の物価統計が公表される予定。結果を見極めたいとするスタンスが強まれば、買い手控え要因となる可能性もあろう。


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