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2020/06/11 09:11

上値の重い展開か、中国金融統計は下振れ 無料記事

◆11日の香港マーケットは、中国指標の下振れで上値の重い展開か。
 外部環境はやや不透明。昨夜の米株市場は、主要指標のNYダウが前日比1.0%安と続落する半面、ハイテク株比率の大きいナスダック指数は0.7%高と4日続伸(最高値を連日で更新)するなど売り買いが交錯した。米ゼロ金利政策の長期化が見込まれる一方、米経済の早期回復に対する期待は後退している。米連邦準備制度理事会(FRB)は10日まで開いた米連邦公開市場委員会(FOMC)で、現行の金融政策を維持し、「ゼロ金利」を少なくとも2022年まで継続するとの見通しを示した。一方、パウエルFRB議長はその後の記者会見で、新型コロナウイルスの経済に対する打撃は深刻だとし、当分は高失業率の状態が続くと指摘している。緩和マネーのマーケット流入が続くとの思惑などで指数は小高く推移したが、パウエル会見後にNYダウはマイナスに転じた。他方、新型コロナ感染拡大の警戒感が依然として根強い中、テレワークやネット通販などの拡大は進むとの見方が一段と強まり、関連銘柄には買いが継続。アップルやマイクロソフト、アマゾンがそろって上場来高値を更新し、ナスダック指数の上げに寄与した。
 一方、10日の中国本土マーケットは、主要指標の上海総合指数が0.4%安と4日ぶり反落。中国指標の下振れが重しとなっている。朝方公表された5月の物価統計では、企業活動の目安となる生産者物価指数(PPI)のマイナス率が予想(-3.3%)を超える-3.7%を記録した。消費者物価指数(CPI)も予想(+2.7%)を下回る+2.4%で着地している。
 なお、マーケット引け後に発表された5月の中国金融統計では、人民元建て新規融資が予想以上に前月から縮小した。
 こうしたなか、本日の香港・本土マーケットは全体として上値の重い展開か。世界的に政策期待が高まっていることはプラス材料となるものの、実体経済に対する懸念も根強い状況だ。上述したように、中国指標が相次ぎ下振れしていることも不安要素となる。
 なお本日は、オンラインゲーム中国大手の網易(ネットイース:9999/HK)が香港メインボードに新規上場する。前日のグレーマーケット(上場前の相対取引)では、公募価格比5.61%高の129.90香港ドルで取引を終えた。ADR上場する米株市場では3.77%高と続伸し、今月5日に付けた上場来高値に接近している。


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