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2023/08/22 08:41

反発の機会を探る展開か、米ハイテク株高が支えに 無料記事

◆22日の香港マーケットは、このところの下落基調を受け、反発のタイミングを伺う展開となりそうだ。(亜州リサーチ編集部)
 外部環境はそれほど悪くない。21日の米株市場は、米金融引き締めの長期化懸念が重しとなったものの、主要企業の業績期待が相場を下支えした。主要指標のNYダウが前営業日比0.1%安と小反落する一方、ハイテク株比率の大きいナスダック指数は1.6%高と5日ぶりに反発している。米インフレ懸念が根強く、米債券市場では、米10年債利回りが一時、2007年11月の高水準を付けた。今週開催のジャクソンホール会議(各国の中央銀行関係者が集まる国際経済シンポジウム)で、パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長が25日に講演することも気がかり材料となっている。ただ、指数はこのところの下げが大きかったこともあり、金利高を嫌気する売りは限定された。企業業績に対する期待感も強まっている。画像処理半導体メーカーのエヌビディアに対しては、23日の決算発表を前にアナリストの目標株価引き上げが相次ぎ、同社株は8.5%高と急伸した。指数銘柄以外では、サイバーセキュリティのパロアルト・ネットワークスが新半期決算で1株利益が上振れたことを手がかりに14.9%上昇している。
 ほか、中国銘柄も堅調推移。中国企業のADR(米国預託証券)で構成されるナスダック・ゴールデン・ドラゴン中国指数(HXC)は0.8%上昇した。新興EV(電気自動車)メーカーの小鵬汽車(エックスポン:9868/HK、XPEV/NYSE)は、ブローカーの目標株価引き上げを好感し9.7%高で引けた。
 一方、中国国内の環境は不透明。前日公表された中国の最優遇貸出金利「ローンプライムレート(LPR)」に関しては、住宅ローン金利の指標となる5年物LPRが引き下げ予想に反し4.20%に据え置かれている。銀行貸出の指標となる1年物LPRは3.55→3.45%に引き下げられたが、予想(3.40%)ほどではなかった。国内では、不動産デベロッパーや地方政府の債務問題、消費活動の低迷など不安材料が山積している。
 こうした中、本日の香港・本土マーケットは反発の機会を伺う流れとなろう。中国の景気懸念は不安材料だが、指数はこのところの下落が大きいだけに、値ごろ感も強まっている(足元では、ハンセン指数が約8カ月半ぶり、上海総合指数が約7カ月半ぶりの安値)。米ハイテク株高をきっかけに、自律反発狙いの買いが入ることに期待したい。


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