◆22日の香港マーケットは、米中対立の警戒感で上値の重い展開か。(亜州リサーチ編集部)
　外部環境は良好。21日の米株市場は、一部ハイテク企業の業績改善が投資家心理を上向かせる展開だった。主要指標のNYダウが前日比0.9％高、ハイテク株比率の大きいナスダック指数が1.3％高と反発している。半導体大手のマイクロンが公表した9〜11月期（第1四半期）決算は、赤字が予想ほどではなく、売上高は上振れした。第2四半期の売上高見通しも、アナリスト予想を上回っている。同社株は8.6％高と急伸し、ハイテク株全般の上げを主導した。フィラデルフィア半導体株指数（SOX）は2.7％上昇し、他の指数をアウトパフォームしている。
　ただ、米中対立の警戒感は高まる状況。米メディアは21日、電気自動車（EV）を含む一部の中国製品に対し、米バイデン政権が関税の引き上げを検討しているもよう――と報じた。また、米商務省は21日、安全保障上のリスクを減らすため、旧世代半導体を巡り中国からの調達を調査すると発表している。他方、中国商務部は21日、EV製造に欠かせないレアアースの関連技術について、輸出規制を強化すると発表した。
　一方、内部的には新規材料に乏しい。依然として、中国経済の先行き不安と、当局の景気支援策に対する期待感が交錯する状況だ。香港市場は25〜26日がクリスマス休暇による休場となることもあり、模様眺めのスタンスも強まっている。
　こうした中、本日の香港・本土マーケットは全体として上値の重い展開か。米ハイテク株高を好感し買い先行しそうだが、米中対立の警戒感が相場の足かせとなろう。


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