2023/12/18 08:56
上値の重い展開か、中国景気の鈍化懸念くすぶる
◆週明け18日の香港マーケットは、中国景気の鈍化懸念が相場の重しとなる展開か。(亜州リサーチ編集部)
外部環境は安定的。15日の米株市場は、米景気の先行き楽観と2024年の米利下げ期待が根強い中で買いが続いた。主要指標のNYダウが前日比0.2%高、ハイテク株比率の大きいナスダック指数が0.4%高とそろって7日続伸。NYダウは連日で史上最高値を更新した。足元では、景気持ち直しを示唆する経済指標の発表が目立っている。14日公表された11月の米小売売上高は縮小予想(0.1%減)に反し、前月比0.3%増に拡大した。また、米連邦準備理事会(FRB)高官が相次ぎ早期利下げをけん制する発言をしたものの、利上げサイクルは終了し、当局が来年、利下げに転じるとの見方は続いている。米債券市場では、米10年債利回りの低下が続いた。
一方、内部環境は好悪材料が入り混じる。当局の景気支援策に対する期待と、中国景気の鈍化懸念が綱引きとなる状況だ。北京、上海の中国2大都市が14日、不動産市場のテコ入れ策をそろって発表。中国人民銀行(中央銀行)は15日、金融政策ツールの「中期流動性ファシリティ(MLF)」を通じ、計1兆4500億人民元(約29兆1280億円)を市場に供給した。資金供給規模は市場予想の9750億人民元を大幅に上回っている。他方、15日に集中して公表された11月の経済統計は、不動産関連など一部を除き概ね良好だったものの、アナリストの一部からは、「新型コロナウイルス禍の混乱を受けたベース効果の影響も大きく、中国景気の持ち直しを確認するには至らない」と指摘された。先ごろ公表された11月の消費者物価指数(CPI)がマイナス幅を拡大し、下落率は2020年11月以来、3年ぶりの大きさを記録するなど内需の弱さも際立っている。
こうした中、本日の香港・本土マーケットは全体として上値の重い展開か。先週末の米株高値更新などは支えとなりそうだが、中国景気の鈍化懸念が根強く、相場の足かせとなりそうだ。
内容についてのお問い合わせは<info@ashuir.com>まで。
外部環境は安定的。15日の米株市場は、米景気の先行き楽観と2024年の米利下げ期待が根強い中で買いが続いた。主要指標のNYダウが前日比0.2%高、ハイテク株比率の大きいナスダック指数が0.4%高とそろって7日続伸。NYダウは連日で史上最高値を更新した。足元では、景気持ち直しを示唆する経済指標の発表が目立っている。14日公表された11月の米小売売上高は縮小予想(0.1%減)に反し、前月比0.3%増に拡大した。また、米連邦準備理事会(FRB)高官が相次ぎ早期利下げをけん制する発言をしたものの、利上げサイクルは終了し、当局が来年、利下げに転じるとの見方は続いている。米債券市場では、米10年債利回りの低下が続いた。
一方、内部環境は好悪材料が入り混じる。当局の景気支援策に対する期待と、中国景気の鈍化懸念が綱引きとなる状況だ。北京、上海の中国2大都市が14日、不動産市場のテコ入れ策をそろって発表。中国人民銀行(中央銀行)は15日、金融政策ツールの「中期流動性ファシリティ(MLF)」を通じ、計1兆4500億人民元(約29兆1280億円)を市場に供給した。資金供給規模は市場予想の9750億人民元を大幅に上回っている。他方、15日に集中して公表された11月の経済統計は、不動産関連など一部を除き概ね良好だったものの、アナリストの一部からは、「新型コロナウイルス禍の混乱を受けたベース効果の影響も大きく、中国景気の持ち直しを確認するには至らない」と指摘された。先ごろ公表された11月の消費者物価指数(CPI)がマイナス幅を拡大し、下落率は2020年11月以来、3年ぶりの大きさを記録するなど内需の弱さも際立っている。
こうした中、本日の香港・本土マーケットは全体として上値の重い展開か。先週末の米株高値更新などは支えとなりそうだが、中国景気の鈍化懸念が根強く、相場の足かせとなりそうだ。
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