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2024/03/08 08:49

しっかりか、欧米の利下げ期待が支え 無料記事

◆8日の香港マーケットは、欧米の利下げ期待でしっかりか。(亜州リサーチ編集部)
 外部環境はポジティブ。7日の米株市場は、欧米の金融緩和期待が相場を押し上げる展開だった。主要指標のNYダウが前日比0.3%高、ハイテク株比率の大きいナスダック指数が1.5%高とそろって続伸している。パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長は上院の議会証言で、利下げ開始の条件となるインフレ鎮静化は「そう遠くない」と発言。前日の下院と同様、経済を安定させる姿勢を示した。発言自体に目新しさはなかったものの、「年央には利下げが開始される」との見方が改めて投資家の買い安心感につながっている。また、欧州では、ラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁が7日、6月利下げの可能性を示唆した。
 他方、米国の対中圧力強化はネガティブ。バイデン米政権はこのところ、自動車やバイオテクノロジー、半導体などの分野で中国に対する規制を強化しつつある。米大統領選を年内に控える中、有権者が好む形で中国に対し強硬姿勢を見せる格好だ。
 一方、内部環境はそれほど悪くない。7日公表された今年1〜2月の貿易統計では、米ドル建ての輸出・輸入がそろって予想以上の伸びとなった。また、向こう1年間の政策運営方針を決定する全国人民代表大会(全人代、国会に相当)が開催中とあって(会期は11日まで)、経済対策に対する期待感も高まっている。
 なお、中国では、あす9日朝方(日本時間10時半ごろ)、2月の物価統計が公表される予定。市場コンセンサス予想では、消費者物価指数(CPI)の上昇率が前年同月比プラス0.3%(前月はマイナス0.8%)、生産者物価指数(PPI)がマイナス2.5%(同マイナス2.5%)で着地すると見込まれている。デフレ脱却の兆しがみられるかが焦点だ。
 こうした中、本日の香港・本土マーケットは全体としてしっかりとした展開となろう。米中対立の警戒感はくすぶるものの、欧米の利下げ期待が投資家心理を上向かせよう。主要国の利下げにより、中国でも金融緩和がしやすくなる。ただ、あすの中国物価指標を見極めたいとするスタンスが強まれば、買い手控え要因ともなるので注意したい。

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