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2020/04/17 09:12

米株高を手がかりに買い先行か、中国GDPは波乱要因にも 無料記事

◆17日の香港マーケットは、米株高を手がかりに買い先行しそうだが、中国GDPが波乱要因となる恐れもあろう。
 外部環境は安定的。昨夜の米株市場では、主要指標のNYダウが前日比0.1%高、ハイテク株比率の大きいナスダック指数は1.7%高とそろって反発した。経済活動の早期再開期待が追い風。トランプ米大統領は15日夜の会見で、「(新型コロナウイルス)新規感染のピークは過ぎた」として、経済活動の再開を強く主張した。16日のマーケット引け後(日本時間17日朝方)、大統領は経済活動再開に向けた3段階の指針を公表。一部の州では、1カ月後に事業や学校が再開できるとの認識を示した。相次ぐ経済指標の悪化を受けて指数は大きく売られる場面がみられたものの、結局この日の高値圏で取引を終えている。
 新型コロナを巡るポジティブ材料も浮上。米メディアは16日(日本時間17日早朝)、ギリアド・サイエンシズの抗ウイルス薬「Remdesivir(レムデシビル)」の投与により、新型コロナ患者が続々と快復に向かった――と報じた。ギリアド株は時間外取引で急騰。NYダウ先物も大幅に上昇している。
 一方、16日の本土株市場は、主要指標の上海総合指数が0.3%高と反発。中国の景気下支え策に対する期待感が支えとなる。中国人民銀行(中央銀行)が前日実施した中期貸出制度(MLF)の金利が引き下げられたことで、来週20日に公表される事実上の貸出基準金利「ローンプライムレート(LPR)」に関しても、「引き下げはコンセンサス」との見方が強まった。
 なお、国家統計局は本日の取引時間中(日本時間午前11時ごろ)、今年1〜3月GDP成長率と3月の各種経済統計(小売売上高や鉱工業生産など)を公表する。注目のGDP成長率に関しては、6.0%のマイナス成長に落ち込むとの予測だ。前年同期比でのマイナス成長は、四半期として遡れる1992年以降で初めて。
 こうしたなか、本日の香港・本土マーケットは全体として神経質な値動きか。海外動向の改善で買い先行する可能性が高いものの、中国指標の内容が気がかりだ。中国GDPについては、新型コロナ感染拡大による経済活動の落ち込みで、2ケタのマイナス成長を余儀なくされる――との悲観論も市場で流れている。ただ、「景気指標の悪化を受けて当局が景気対策を強める」との思惑にもつながりやすいこともあり、アク抜け感が意識されることにも期待したい。



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