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2023/09/25 08:49

上値の重い展開か、米金融引き締め長期化を警戒 無料記事

◆週明け25日の香港マーケットは、米金融引き締めの長期化懸念で上値の重い展開か。(亜州リサーチ編集部)
 外部環境は不透明。22日の米株市場は、米金融引き締めの長期化が懸念される中、主要指標のNYダウが前日比0.3%安、ハイテク株比率の大きいナスダック指数が0.1%安とそろって4日続落している。米連邦準備理事会(FRB)は高金利を維持する――との見方が引き続き投資家心理の重しとなった。ボウマンFRB理事は22日、「インフレ率は依然として高すぎる」と指摘し、ボストン地区連銀のコリンズ総裁は同日、「さらなる利上げを選択肢から排除していない」と述べている。また、政府機関一部閉鎖の警戒感も高まった。10月1日の新会計年度スタートを前に、与野党は予算案で歩み寄りをみせていない。政府機関の一部閉鎖を回避するためには、30日夜までにつなぎ予算を成立させなければならないが、与野党折衝はこう着したままだ。
 一方、内部環境はそれほど悪くない。景気懸念は根強いものの、政策に対する期待感が強まっている。中国商務部は21日、消費促進に向けた各種キャンペーンを実施する方針を打ち出した。中国本土は今週末、中秋節・国慶節の大型連休(9月29日〜10月6日、香港は10月2日休場)に入る。そのほか、国営メディアは22日、国家市場監督管理総局が「民営経済発展促進措置」を発表し、民営経済への政策支援を強化する方針を示したと報じた。また、外電が22日、外国人投資家のA株保有比率について、上限引き上げを検討している――と伝えたことも好材料といえよう。
 米中の対話継続もプラス。「中国と米国は経済・金融面で誤解による衝突を回避するため、意思疎通を密にする作業部会を設置した」と米中メディアは伝えた。
 なお今週は経済統計の公表が集中する。27日に8月の工業企業利益、29日に9月の財新中国製造業PMI(民間集計)、財新中国サービス業PMI(同)、30日に9月の製造業PMI(国家統計局などが集計)、非製造業PMI(同)などだ。
 こうした中、本日の香港・本土マーケットは全体として上値の重い展開か。中国の景気支援スタンスは支えだが、米金融引き締めの長期化懸念が逆風だ。中国の大型連休を前に、積極的な売買が手控えられる可能性もある。


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