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2020/04/16 09:03

売り先行か、世界景気悪化を懸念 無料記事

◆16日の香港マーケットは、世界景気の悪化懸念で売りが先行する展開か。
 外部環境はネガティブ。昨夜の米株市場では、主要指標のNYダウが前日比1.9%安と反落し、ハイテク株比率の大きいナスダック指数は1.4%安と5日ぶりに反落した。米景気指標の急激な悪化が相次ぎ、投資家心理が冷え込む。新型コロナウイルス感染拡大が顕在化した3月の経済統計では、米小売売上高が前月比で8.7%減少し、過去最大の減少率を記録。製造業生産指数は6.3%低下し、1946年以来の大幅な落ち込みとなった。また、米連邦準備制度理事会(FRB)が15日に報告した米地区連銀景況報告(ベージュブック)では、過去数週間で経済活動が「突如として急激に縮小した」と指摘されている。本格化している1〜3月期の企業決算では、大手銀行のバンク・オブ・アメリカとシティグループが15日に大幅減益を発表。いずれも予想を下回る内容となった。巨額の貸倒引当金を積み増したことが利益を圧迫したとの説明を受け、貸倒損失が今後増加するとの見方により、実体経済の先行きも不安視された。
 一方、15日の本土株市場は、主要指標の上海総合指数が0.6%安と反落。世界経済の悪化が懸念された。国際通貨基金(IMF)は14日、世界経済見通し(WEO)を更新し、2020年の世界成長率をマイナス3.0%に大幅下方修正した(1月時点はプラス3.3%)。新型コロナウイルス感染防止の大規模なロックダウンが世界に広がった事態などを注視し、1930年代の大恐慌以来で最悪の景気後退になると予測している。中国に関しては1.2%のプラス成長を見込んだものの、1月時点のプラス6.0%からは大幅に引き下げた。
 こうしたなか、本日の香港・本土マーケットは全体として苦戦を強いられそうだ。上述したように、世界景気の先行き不安が投資家のリスク回避スタンスを強めよう。また、中国本土ではあす17日、今年1〜3月GDP成長率と3月の各種経済統計(小売売上高や鉱工業生産など)が公表される。買い手控え要因として意識されることもあろう。


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