◆17日の香港マーケットは、米株高を支えにしっかりか。(亜州リサーチ編集部)
　外部環境は安定的。14日の米株市場は、決算期待の買いでしっかりとした展開だった。主要指標のNYダウが前営業日比0.9％高と続伸し、ハイテク株比率の大きいナスダック指数が1.2％高と3日ぶりに反発している。米国では主要企業の7〜9月期決算が本格化。JPモルガンとシティグループが先週公表した四半期決算は予想を上回り、企業業績の改善が進んでいると楽観された。17日に業績発表するゴールドマン・サックスやバンク・オブ・アメリカ、18日に予定しているネットフリックスやテスラなどに好決算を見込んだ先回り買いが入っている。米金融引き締めの過度な警戒感も後退。米フィラデルフィア連銀のハーカー総裁は16日、「政策金利は現行水準が望ましい」と再表明し、米シカゴ連銀のグールズビー総裁は同日、「インフレ鈍化傾向は一時的なものではない」と述べた。次回の米連邦公開市場委員会（FOMC）では政策金利が据え置かれる――との見方も広がっている。ただ、中東地域の地政学リスクは続いており、指数は上値の重い場面もあった。
　一方、中国ではあす18日、9月の小売売上高や鉱工業生産、第3四半期のGDP成長率などが公表される。先週発表された指標では、9月の物価統計と金融統計が下振れし、貿易統計で輸出入の縮小傾向が続いていることが明らかとなっただけに、内容を見極めたいとするスタンスも強まる状況だ。
　こうした中、本日の香港・本土マーケットは全体としてしっかりとした展開となろう。中国指標の発表は気がかり材料となるものの、昨夜の米株高が投資家心理を上向かせそうだ。また本土市場に関しては、上海総合指数が前日、8月25日以来、約7週ぶりの安値水準に落ち込んでいることもあり、自律反発狙いの買いも期待できよう。


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