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2020/08/18 09:10

神経質な値動きか、好悪材料が入り混じる 無料記事

◆18日の香港マーケットは、好悪材料が入り混じるなかで神経質な値動きか。(亜州リサーチ編集部)
 外部環境はそれほど悪くない。昨夜の米株市場では、主要指標のNYダウが前営業日比0.3%安と小反落したが、ハイテク株比率の大きいナスダック指数は1.0%高と反発し、史上最高値を更新した。追加経済対策の与野党協議が膠着していることや、米中対立の警戒感が重しとなる一方、米金利低下はプラス材料として意識されている。米中関係を巡っては、米商務省が17日、通信設備メーカー中国最大手の華為技術(ファーウェイ)に対する半導体輸出規制をさらに強化すると発表した。また、トランプ米大統領は15日、「アリババなど多くの中国企業に圧力をかけることができる」などと述べている。中国関連とされる建機のキャタピラーや化学のダウなどに売りが先行した。他方、米10年債利回りは先週末に上昇一服し、この日はさらに低下。相対的にPER(株価収益率)の高いハイテク関連の追い風となった。
 一方、17日の本土株市場は、主要指標の上海総合指数が2.3%高の3438.80ポイントと大幅に3日続伸。約1カ月ぶりの高値水準を回復し、年初来高値(3450.59ポイント)に接近した。中国人民銀行(中央銀行)の緩和スタンスを好感している。人民銀は朝方、「中期流動性ファシリティ(MLF)」を通じ、予想を上回る7000億人民元の資金を供給。10年物の国債利回りは約3週ぶりの低い水準で推移した。人民銀が20日に公表する事実上の貸出基準金利「ローンプライムレート(LPR)」に関しても、低金利が継続すると見込まれている。
 中国の国務院(内閣に相当)は17日、大規模な景気刺激策には依存しないとしたうえで、貸出金利を低水準に誘導する方針を表明した。国営テレビが報じたもので、潤沢な流動性を維持する方針という。
 こうしたなか、本日の香港・本土マーケットは全体として神経質な値動きか。米中対立の警戒感が重荷となる一方で、世界的な低金利の流れはプラス材料として意識されよう。
 主要企業の中間決算報告が進むなか、業績動向に着目した売買も見られそうだ。本日は中国電信(728/HK)や華能国際電力(902/HK)、中国雨潤食品集団(1068/HK)、金山軟件(3888/HK)、あす19日は華潤ビールHD(291/HK)や香港交易所(388/HK)、中国海洋石油(883/HK)、恒安国際集団(1044/HK)、北京金隅集団(2009/HK)、阿里巴巴集団HD(アリババ・グループ・ホールディング:9988/HK)などが決算を発表する。
 前日発表された主要銘柄の決算では、薬明生物技術(ウーシーバイオロジクス:2269/HK)が64%増益、舜宇光学科技(サニー・オプティカル・テクノロジー:2382/HK)が22%増益、京東集団(JDドットコム:9618/HK)が利益2.2倍などとなっている。京東集団に関しては、重複上場する米市場で昨夜、ADRが3日ぶりに急反発した。


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