◆9日の香港マーケットは、米中の指標発表を控え上値の重い展開か。(亜州リサーチ編集部)
　外部環境はやや不透明。8日の米株市場は、インフレ動向の見極めで方向感を欠く展開だった。主要指標のNYダウが前営業日比0.03％安と反落する一方、ハイテク株比率の大きいナスダック指数は0.03％高と続伸している。米連邦準備理事会（FRB）は利下げを先送りする――との観測が根強い中、10日に公表される3月の米消費者物価指数（CPI）が気がかり材料となった。FRBが金融政策で重要視する食品・エネルギー価格を除いたコアCPIに関しては、前年比3.7％上昇と当局のインフレ目標2.0％を依然として上回る見通し。内容次第では、利下げが更に遠のく可能性も出てくる。米債券市場では米10年債利回りの上昇が続き、年初来の高水準を付けた。
　一方、今週は中国国内でも経済指標の発表が相次ぐ。11日に3月の物価統計、12日に同月の貿易統計が予定されている。直近で報告された景況感指標は、中国経済の持ち直しを示す内容だったが、物価統計でデフレ改善の兆しがみられるかが焦点だ。
　こうした中、本日の香港・本土マーケットは全体として上値の重い展開か。当局の消費刺激や産業支援、株価対策などに対する期待感は根強いものの、新規材料に乏しい中、米中の指標発表を前に様子見ムードも漂いそうだ。


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