◆21日の香港マーケットは、米ハイテク株高を好感した買いが先行する流れか。(亜州リサーチ編集部)
　外部環境はポジティブ。20日の米株市場は、米金利の低下基調を引き続き手がかりに買われる展開だった。主要指標のNYダウが前営業日比0.6％高と続伸し、ハイテク株比率の大きいナスダック指数が1.1％高と5日続伸している（NYダウは8月中旬以来、ナスダック指数は7月下旬以来の高値）。弱い経済指標が相次ぐ中、米債券市場では米10年債利回りの低下が続き、9月20日以来の低水準となった。この日公表された経済指標では、10月の米景気先行指数が予想外に悪化し、19カ月連続のマイナスとなっている。個別では、マイクロソフトが2.1％上昇し、上場来高値を更新した。同社は20日、米オープンAIの最高経営責任者（CEO）を解任されたサム・アルトマン氏をAI（人工知能）研究チームに迎え入れると発表。オープンAIは対話型AIサービス「ChatGPT（チャットGPT）」を開発していただけに、マイクロソフトのAI事業が優位に立つと期待された。米株市場の不安心理を表すVIX（20を超えると不安心理が高まった状態とされる通称「恐怖指数」）は、前日比で2.8％低い13.41で終了。9月14日以来、約2カ月ぶりの低水準に落ち着いた。
　一方、中国国内では、経済対策の期待感が高まっている。昨日公表された実質的な政策金利となる最優遇貸出金利「ローンプライムレート（LPR）」は予想通り据え置きだったものの、追加金融緩和が打ち出されるとの見方は根強い。市場では、預金準備率の年内引き下げ観測が流れている。
　人民元高の進行もプラス。米金利安を背景に、外国為替市場ではオフショア人民元（対米ドル）が7月下旬以来の元高水準で推移している（11月1日は7.33人民元台→11月20日は7.16人民元台）。
　こうした中、本日の香港・本土マーケットは買いが先行しそうだ。人民高の進行が引き続き材料視されるほか、米ハイテク株高も好感されよう。


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