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2020/06/12 09:07

売り先行か、新型コロナ「感染第2波」警戒で米株急落 無料記事

◆12日の香港マーケットは、米株急落を嫌気した売りが先行しそうだ。
 外部環境はネガティブ。昨夜の米株市場は、主要指標のNYダウが前日比6.9%安と3日続落し、ハイテク株比率の大きいナスダック指数が5.3%安と5日ぶりに反落した。報道によれば、NYダウの下げ幅は過去4番目の大きさという。新型コロナウイルスの「感染第2波」が警戒される。全米50州のうち、早い段階で経済再開に踏み切ったテキサス州やフロリダ州など21州で、新型コロナの感染者が増加した。米ジョンズ・ホプキンス大学の最新データによれば、日本時間11日午後時点で米国の新型コロナ感染者は累計200万人を超えている。また、欧州連合(EU)の関係者は11日、欧州で「感染第2波」が数週間以内に発生する恐れがあると警告した。
 パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長が米連邦公開市場委員会(FOMC)後の会見で、新型コロナウイルスの経済に対する打撃は深刻だとの認識を示したうえで、当分は高失業率の状態が続くと指摘したことも改めて売り材料視された。米株市場の不安心理を表すVIX(20を超えると不安心理が高まった状態とされる通称「恐怖指数」)は、前日比で48.0%高の40.79ポイントと急上昇。4月下旬以来の高水準に達した。
 一方、11日の中国本土マーケットは、主要指標の上海総合指数が0.8%安と続落。中国指標の下振れが投資家のセンチメントを冷やしている。昨日のマーケット引け後に発表された5月の中国金融統計では、人民元建て新規融資が予想以上に前月から縮小した。10日朝方公表された同月の物価統計も下振れている。経済活動の再開は進んでいるものの、景気回復には時間がかかる――との見方も広がった。
 こうしたなか、本日の香港・本土マーケットは全体として苦戦を強いられる展開か。昨夜の米株急落を嫌気した売りが先行しそうだ。新型コロナ「感染第2波」の到来で、経済活動の正常化が妨げられるとの懸念が強まろう。また原油相場の急落(WTI原油先物は8.2%安)を受け、関連銘柄に売りが広がりそうだ。


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