/ 詳細
検索 (期間指定)
期間
亜州リサーチFacebook公式ページ 亜州リサーチYoutube公式チャンネル

2023/08/10 08:41

売り先行か、米株安が重しに 無料記事

◆10日の香港マーケットは、米株安を嫌気し売り先行か。(亜州リサーチ編集部)
 外部環境は不透明。9日の米株市場は、インフレ懸念がくすぶる中、主要指標のNYダウが前日比0.5%安、ハイテク株比率の大きいナスダック指数が1.2%安とそろって続落した。10日に公表される7月の消費者物価指数(CPI)に関しては、ガソリン価格の上昇などを受け、前月から上昇が加速するとの見通し。予想を上回る結果になった場合、米連邦準備理事会(FRB)は追加利上げに動くとの不安もある。ハイテクなど高PER(株価収益率)のグロース(成長)株に売りが広がった。ただ、原油高を手がかりに、エネルギー株はしっかり。9日のニューヨーク・マーカンタイル取引所(NYMEX)では、WTI原油先物が1.8%高と続伸し、一時は約9カ月ぶりの高値を付けた。
 米国の対中圧力も懸念材料。バイデン米大統領は9日、先進半導体やAI(人工知能)、量子技術など3分野を対象に、米国の企業・個人が中国に投資することを制限する大統領令に署名した。中国政府が反発することは必至とみられる。
 一方、内部的には景気懸念と政策期待が交錯する状況。国内ではこのところ、経済持ち直しの遅れを示唆する経済指標の発表が相次いでいる。半面、「主要経済指標の不振は経済対策につながる」との期待も根強い。前日発表された7月の物価統計が予想以上に落ち込んだことで、市場からは「金融緩和の余地が広がった」との声も聞かれた。
 こうした中、本日の香港・本土マーケットは売りが先行する流れか。昨夜の米株安や、米中関係の悪化懸念が投資家心理を冷やしそうだ。ただ、原油高が追い風となる資源関連や、業績改善の期待があるセクターなどを物色する動きには期待したい。


内容についてのお問い合わせは<info@ashuir.com>まで。

関連ニュース同じカテゴリーのニュース