◆週明け30日の香港マーケットは、外部環境の不透明感で神経質な値動きか。(亜州リサーチ編集部)
　外部環境はやや不透明。27日の米株市場は、主要企業の決算動向をにらみながら、方向感を欠く展開だった。主要指標のNYダウが前日比1.1％安と3日続落する一方、ハイテク株比率の大きいナスダック指数は0.4％高と3日ぶりに反発している。NYダウは約7カ月ぶりの安値水準に落ち込んだ。主力企業の決算報告が進む中、業績内容で明暗が分かれている。決算が予想を上回った半導体のインテルやネット通販のアマゾンなどが急伸し、ハイテク株全体の追い風となった。他方、石油のシェブロンは利益が予想を下回り急落。NYダウを押し下げる一因となった。米株市場の不安心理を表すVIX（20を超えると不安心理が高まった状態とされる通称「恐怖指数」）は21.27で終了。前日比で2.9％上昇し、節目の20を連日で上回った。
　中東地域の地政学リスクも懸念材料。イスラエルのネタニヤフ首相は28日、イスラム組織ハマスが実効支配するパレスチナ自治区ガザ地区での地上作戦について、「戦争は第2段階に入った」と表明した。戦いは長期化するとも述べている。
　一方、中国ではあす31日（日本時間午前10時30分ごろ）、10月の製造業購買担当者景気指数（PMI、国家統計局などが集計）が公表される。直前の市場コンセンサス予想では、製造業PMIが50.2（前回50.2）、非製造業PMIが52.0（前回51.7）で着地する見込みだ。
　なお、香港では主要企業の四半期決算発表がピークを迎える。本日30日に予定している企業は、HSBC(5/HK)や比亜迪電子(国際)(285/HK)、馬鞍山鋼鉄(323/HK)、鞍鋼(347/HK)、中国中鉄(390/HK)、中国東方航空(670/HK)、中国石油天然気(857/HK)、中聯重科(1157/HK)、中国鉄建(1186/HK)、比亜迪(1211/HK)、中国人民保険集団(1339/HK)、江西カン鋒リ業集団(1772/HK)、広発証券(1776/HK)、中国交通建設(1800/HK)、百威亜太HD(1876/HK)、中遠海運HD(1919/HK)、北京汽車(1958/HK)、中国国際海運集装箱(2039/HK)、中国人民財産保険(2328/HK)、イ柴動力(2338/HK)、中銀香港(2388/HK)、中遠海運発展(2866/HK)、中国銀行(3988/HK)、中信証券(6030/HK)などだ。
　こうした中、本日の香港・本土マーケットは全体として神経質な値動きか。先週末のNYダウ安や、中東地域の地政学リスクが投資家心理の重しとなろう。目先はやはり、決算動向に着目した選別物色となりそうだ。


内容についてのお問い合わせは＜info@ashuir.com＞まで。