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2023/09/05 08:50

上値の重い展開か、欧米の金融引き締め長期化を警戒 無料記事

◆5日の香港マーケットは、欧米の金融引き締め長期化観測で上値の重い展開か。(亜州リサーチ編集部)
 外部環境はやや不透明。4日の米市場は、レーバーデーの祝日で株や商品が休場だったが、場が開いていた欧州市場は、主要株価指数が軟調だった(英FTSE100は0.2%安、独DAXは0.1%安など)。各国の中央銀行は金融引き締めを長期化する――との警戒感が依然としてくすぶっている。
 一方、中国国内の環境は悪くない。当局の景気支援スタンスが投資家心理を上向かせている。債務問題に揺れる不動産業界に関しては、支援策を相次ぎ投入。北京市、上海市の当局は1日、住宅ローン規制の緩和を発表し、「認房不認貸」制度の導入を明らかにした。「認房不認貸」とは、過去に住宅ローンを組んでいた場合でも、現時点で自分名義の不動産を持っていなければ、1軒目の住宅ローン頭金比率や優遇金利が適用される制度。広東省の広州市、深セン市などに続く動きだ。それに先立つ8月31日、中国人民銀行(中央銀行)と国家金融監督管理総局は、頭金比率や金利の引き下げなど住宅ローン規制の一部緩和を発表している。相次ぐ規制緩和を受け、前週末の北京と上海では、物件販売が早くも大幅に増加したと伝わった。ほか、現地メディアは4日、中国で地方債の発行が拡大していると報道。統計資料によると、8月は月次ベースで今年最多の約1兆3000億人民元(約26兆1300億円)規模に膨らんだ。専項債(公益事業向けに資金調達する特別地方債)の新発が目立っている。
 なお、中国では本日(日本時間10時45分ごろ)に、8月の財新中国サービス業PMI(民間集計)が公表される。最新のコンセンサス予想では、前月の54.1から53.5に低下する見込みだ。ほか、7日に貿易統計、9日に物価統計の発表も控えている。
 こうした中、本日の香港・本土マーケットは全体として上値の重い展開か。中国の住宅ローン規制緩和などは引き続き支えとなりそうだが、欧米の金融引き締め長期化観測は相場の足かせだ。また、指数は前日に急伸したこともあり、戻り待ちの売り圧力も意識されよう。


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